ボストン大で致死率の高い新型コロナの変異型が開発された可能性 米国の不審な動き

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 世界保健機関(WHO)は10月19日「世界の一部では『新型コロナのパンデミックは終息した』と考えられているが、新型コロナウイルス感染症は依然として世界的な緊急事態であることに変わりはない」と警告を発した。

 WHOが再び危機感を強めているのは、オミクロン型の新たな変異型による感染が世界各地で拡大しつつあるからだ。

 米疾病対策センターによれば、米国では8月半ばの新規感染の9割近くがBA.5だったが、10月に入るとBA.5の割合は7割以下に下がった。代わって広がりを見せているのはBA.4に変異が加わったBA.4.6だ。8月に6%だった割合が倍増している。

 現在主流のBA.5に変異が加わったBQ.1.1も広がりを見せている。

 これらの変異型はBA.5よりも免疫をすり抜ける性質が強く、感染が広がりやすい可能性がある。試験管レベルの実験ではワクチンの抗体が効きにくく、抗体薬の効果も低下するとされている。

米国は「生物兵器防衛を強化」

 欧州では、冬場の新型コロナの流行が警戒され始めている。

 ドイツでは集中治療室を利用するコロナ重症者が4月以来の水準となっており、冬場にインフルエンザとの同時流行となれば医療が逼迫しかねない。

 このため、政府は飲食店など屋内施設でのマスク着用の再義務化などを検討しているが、ロシアのウクライナ侵攻後のエネルギー価格高騰に対する政府への不満が高まる中、厳しい行動規制を伴う対策を採りづらいのが実情だ。

 日本ではBA.5による第7波が収束しつつあるが、専門家は「いずれ第8波が来る」と身構えている。水際対策の緩和によって海外から新たな変異型が国内に入ってきやすくなってきており、有事に弱い日本の医療体制の脆弱性が再び露呈する可能性がある。

 今年9月に「新型コロナのパンデミックは終わった」と発言して物議をかもしたバイデン米大統領だったが、10月18日、新型コロナのパンデミックの経験を踏まえ、米国の生物兵器防衛を強化する覚書に署名した。

 覚書によれば、ホワイトハウスの監督の下、生物兵器防衛に向けた政府機関間の政策調整を進めるとともに、米情報機関に対して、脅威を監視し、進化する脅威への適応能力を高めることを求めている。これを実現するため、連邦議会に、今後5年間で880億ドルの予算を求めている。

 政府高官は「国家生物兵器防衛戦略により、自然発生、もしくは意図的であっても、伝染病の蔓延を事前に防ぐことができる」と胸を張っているが、パンデミック発生から2年半が経過しても新型コロナの発生源が特定できていないのに、次のパンデミックを未然に防ぐことができるのだろうか。

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