藤井隆が「新婚さんいらっしゃい!」の新司会者にピタリとはまった3つの要素

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「他人のいいところを発見」する能力

 3つ目は「相手の良さを引き出す能力がある」ということだ。藤井はこれまでに多岐にわたる芸能活動を行っており、その中の1つに「音楽プロデューサー業」がある。

 藤井は2014年に自身の音楽レーベル「SLENDERIE RECORD」を立ち上げて、プロデューサーとしての活動を本格的に始めた。このレーベルには藤井本人以外にも早見優、鈴木京香、レイザーラモンRG、椿鬼奴などの豪華な顔ぶれがアーティストとして名を連ねている。藤井は彼らの魅力を引き出すための楽曲制作やアートワークなどのトータルプロデュースを手がけてきた。

 そんな藤井は、他人のいいところを発見して、そこを伸ばしていくということに長けている。これは一般人を毎週ゲストに迎える「新婚さんいらっしゃい!」の司会者にとって、間違いなく重要な資質であると言えるだろう。

 実際、4月に始まった藤井司会の『新婚さんいらっしゃい!』では、彼の能力が存分に生かされている。新アシスタントの井上と共に、温かみがあって明るい雰囲気を作っているので、新婚カップルの一般人も話がしやすい。

 藤井は、話題によって真面目に話を聞くモードと明るくふざけ気味に振る舞うモードを巧みに使い分けているので、どう転がっても番組は見ごたえのあるものになる。

 品の良い芸風を貫く藤井が仕切る「新婚さんいらっしゃい!」は、新しい時代のバラエティ番組としてこのまま定着していくのではないか。

ラリー遠田
1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり 〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『逆襲する山里亮太』(双葉社)『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)など著書多数。

デイリー新潮編集部

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