安倍派の会長後継は「史上最も軽い神輿」の意外な人物に 岸前防衛相に待望論はあったが

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意欲はあれど誰もついてこず

「安倍元首相の意中の人と言うか、最も評価していたのは萩生田氏でしたが、旧統一教会のイメージが強すぎてここは我慢の時と腹をくくっているようです。萩生田氏は良く言えばおおらか、悪く言えば脇が甘いタイプ。最近は派内若手との懇親の場を積極的に持つなど、種を蒔いているようですね」(同)

 松野、西村の両氏については、還暦前後の年齢かつ現役閣僚という点で共通している。

「しかも岸田内閣で要職の中の要職を務めていますので、派閥の領袖を兼ねると言うわけには行かないでしょう。両氏は派閥を取り仕切ることにとても前向きではありますが、下村氏ほどではないにしても派内議員の多くの心を掴むまでには至っていません」(同)

 唯一の参院議員である世耕氏については、

「いずれは衆院に鞍替えし、首相を目指すという意欲は隠さないのですが、同じ和歌山を地盤とする二階元幹事長の存在もあってなかなか果たされていません。加えて、地元での影響力を高める一里塚だった11月の知事選で、意中の候補の出馬を断念する事態に追い込まれてしまいました。派閥ボスをやれるほどの余力があるとはとても思えません」(同)

岸前防衛相登板説は?

 別の記者はこんな打ち明け話をする。

「実は、安倍氏実弟の岸信夫前防衛相の待望論もあがっていたんです。が、防衛相交代を余儀なくされた病気が深刻で、仕事がままならないようです。コップでお茶を飲むのも大変な状況だと聞きました」

「そして誰もいなくなった」とばかりに塩谷氏にバトンが回ってきた格好だが、神輿の軽さもさることながら、候補の中では72歳の最年長者ということで、有力候補者の間でも特段、反対の声は上がらなかったという。

「普通これだけ候補がいれば、群雄割拠とばかりに派閥が割れる可能性も十分あり得るのですが、今はそんな体力もないと他派閥から揶揄されています」(同)

 安倍元首相の存在の大きさを日々感じていることだろう。

デイリー新潮編集部

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