「森元首相の逮捕」を東京地検特捜部は諦めたのか?

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たとえ在宅レベルでも

 今回の場合は、どうなのか?

「少なくとも現場は諦めていないようです。容疑者として事情聴取をしていない点もあって、身柄を取るということは難しそうです。ただ、まだ表に出ていない案件はもちろんあり幅広い捜査を展開しているようで、たとえ在宅レベルでも森氏を起訴に持ち込めないかということも特捜部は考えているフシがあります。“何とか形にしたい”という熱量が伝わってきます」(同)

 特捜検察には苦い思い出がある。

 1992年9月、自民党の金丸信副総裁は政治資金規正法違反容疑で略式起訴され、罰金20万円の略式命令を受けた。5億円の闇献金疑惑に対してその闇に切り込めないばかりか身柄さえ取れない特捜部への世論の批判の声は大きく、霞が関にある検察庁の表札には、黄色いペンキがかけられる事件にも発展した。
「特捜部に対する国民の信頼が失墜した象徴的な事件でした。しかしその後、特捜部には“国税”という救世主が現れ、その情報提供を基に脱税容疑で金丸氏を逮捕・起訴するに至ります」(同)

 仮に在宅起訴になった場合、再び「ペンキ事件」が起こり、新たな情報が寄せられるということもあり得るのだろうか。

デイリー新潮編集部

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