なぜ宝塚OGが演劇界を席巻? なくなった「退団=結婚」という図式

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 2年後に創立110周年を迎える宝塚歌劇団には、退団後も芸能界で活躍するOGが少なくない。ほとんどは男役の元トップスターだが、最近はその傾向に意外な変化が起きている。

 演劇記者が解説する。

「昔もいまも、芸能界に宝塚出身の女優は珍しくありません。花組や月組といった五つの組の元トップばかりが目立ちますが、最近はミュージカルや舞台の公演で、元タカラジェンヌという女優の名を見かける機会が増えています」

 実際、この8月は久世星佳(くぜせいか)(57)、真琴つばさ(57)、湖月(こづき)わたる(51)ら元トップスターが共演する舞台「8人の女たち」のほか、月影瞳(52)が出演する「追憶のアリラン」が話題に。

ほとんどは家庭に入っていた

 ミュージカルも目白押しで、霧矢大夢(きりやひろむ)(47)がブロードウェイ発の「ピピン」に、壮一帆(そうかずほ)(47)が「ピーター・パン」に、大和悠河(やまとゆうが)(45)が「リトル・ゾンビガール」に出演するほか、凰稀(おうき)かなめ(40)が「DOROTHY~オズの魔法使い~」の舞台に立ち、真彩希帆(まあやきほ)(28)が「「流星の音色」でヒロイン役を演じる。

「それだけ元タカラジェンヌが活躍する場が増えてきたということですね。宝塚歌劇団には毎年、宝塚音楽学校で演技や歌唱、ダンスなどの基礎を学んだおよそ40人が入団しますが、多くは10年以内に退団していきます。その後も女優として活動するケースは、一部を除いてほんのわずか。ほとんどは結婚して家庭に入ったものです」

 そんな“既定路線”にも大きな変化が訪れており、

「いまでは早い時期に退団した若い世代が芸能事務所に所属することも少なくありません。OGたちが、舞台を中心に積極的に活動するようになってきました」

 かつては乙羽信子、越路吹雪、朝丘雪路(いずれも故人)や、有馬稲子(90)といった大物女優が“元タカラジェンヌ”の代名詞的な存在として知られた。いまでは大地真央(66)、黒木瞳(61)、天海祐希(55)、檀れい(51)らが活躍中だ。

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