香川照之のわいせつ行為「いびつな攻撃性を感じる」 作家・百田尚樹氏の見解

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性欲に支配される人たち

 ベストセラー作家、百田尚樹氏の新著『人間の業(ごう)』は、日々のニュースの中で自身のアンテナに引っ掛かったものを取り上げて論じた、百田流の人間論である。

 数多くのニュース、特にB級ニュース的なものを取り上げているのだが、その中でも頻繁に登場するのが、わいせつ犯など「助平」な人に関するものだ。

 ざっと見てみると――、

「男子トイレで下半身を露出して見せつけた公務員」

「下半身だけ丸出しで公園を歩いて捕まった55歳」

「釣り竿で隣人の下着を釣ろうとした54歳」

「映画のオーディションをデッチあげてキスを迫った無職男」

「けがで手が使えないといって女性をだまして立ち小便の手伝いを頼んだ男」

 等々。

 性欲に支配されてトンデモないことをした面々のエピソードがつづられている。

 百田氏は同書でこう述べている。

「頭ではいけないことと理解していても、その行為を止めることができないとき、私たちはそれを『人間の業』と呼びます」

 ある意味で、その人の「人間らしさ」が如実に表れてしまうのが、この種のニュースということなのだろう。

 そんな百田氏だけに、俳優・香川照之のわいせつ事件を見逃すはずもなかった。

 運営するYouTubeチャンネル「百田尚樹チャンネル」では8月26日、「香川照之のわいせつ行為について思うこと」と題してライブ配信で持論を展開した。

 もともと百田氏は、俳優としての香川には好感を持っていたという。

 面識はないが、「非常にうまい一流の役者」「知的な方」「人格的にも優れている」というのが、これまでのイメージだったと語る。

 それだけに、今回、女性の胸を無理やり触り、下着をはぎ取るといった行為が伝えられたことには驚きを隠せないようである。以下、百田氏の発言の大意は以下の通りだ。

女性に対する異常な攻撃性

「世間的には、『ホステスさん相手なら多少のことは許されるのでは』といった声もあるようです。

 私はそもそもそういうクラブはあまり好きではないのであまり行かないのですが、そういう場で多少羽目を外すことは、許されるのかもしれません。普通の合コンなどとは違うということなのでしょう。

 しかし、報道を見る限り、今回の件は弁護の余地が無いと思います。

 嫌がる女性を無理やり触り、下着まではぎ取って……というのはハッキリ言って変態だと思いました。

 それも20代ならば暴走することもあるのかもしれませんが、50代でというのは……。

 エッチな行為が楽しいということは否定しません。

 でも、少なくとも私はそういう行為は相手も楽しんでこそ、自分も楽しいのだと思っています。

 他人が嫌がること、不快と思っていたら、私も楽しくない――などと言うと、『お前は他人の嫌がることばかり言うてるやないか』という声が飛んできそうですが、それとこれとは別です。

 ともかく、相手が嫌がっていては楽しめるはずもない。

 ところが、世の中にはむしろ目の前の異性が嫌がっているのを見て楽しむタイプの人がいます。痴漢がその代表例です。婦女暴行など強制わいせつ行為をする人もそうです。

 こういう人には、女性に対する異常な攻撃性がある。いびつな攻撃性と言ってもいい。

 香川さんにもそういう暗いものを私は感じました。

 今回、ご本人は謝罪をしたものの、特に謹慎などもないようです。それは彼が大物だからなのか、銀座のホステスさん相手だからいい、となったのか、そこはわかりません。

 ただ、まあ仮に私が同じことをやったとしたら、えらい批判を浴びて大変なことになっただろうなと思いますね」

 このように述べたうえで「人間というのはわからんもんやなあ」と百田氏は感想を口にした。これまでのイメージとのギャップが大きかったようだ。

 これもまた「人間の業」の深さを見せつけた一例だということだろうか。

デイリー新潮編集部

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