「太陽にほえろ!」50周年 ジーパン最後の台詞はカットされていた 殉職刑事の知られざる逸話7選

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幻の殉職

 ファンの間でも“山さんが殉職している”ことを覚えている人は少ない。これは山さん殉職回である第691話『さらば! 山村刑事』は番組末期の86年4月11日に放送された。そのため、すでに視聴を辞めた方が多かったためだ。とある国の大使館の書記官と暴力団が絡んだ大規模な拳銃密輸事件を解決したものの、残党の恨みを買って、付け狙われた山さん。最後は夜の西新宿でもみ合いとなり、相手が手にしていた拳銃が暴発。2発発射されたうちの1発が山さんの命を奪ってしまう。当初、山さんは転勤で番組を卒業する予定であったが、演じる露口が「転勤で降板という形に対して山さんが首を横に振った。部下が殉職しているのに自分だけ生き残ることに山さんが違うと言った」と、当時ワイドショーの取材に語っている。彼が最後の殉職刑事だが、最初のマカロニと最後の山さんがともに夜の西新宿で命を落とす形になったのは不思議な縁を感じさせる。

 最後は殉職案が幻に終わったケースをご紹介しよう。第1話から登場したオリジナルメンバーの長さん(下川辰平)は、第520話『野崎刑事、カナダにて最後の激走』で、警察学校の教官を志願し七曲署を去った。PART2で刑事として現場復帰し、番組最後まで登場することに。しかし下川は初期メンバーの中で自分1人だけ殉職しなかったことが今でも心残りだと発言している(『太陽にほえろ! DVD-BOX マカロニ刑事編I』に収められているメイキングインタビュー)。犯人を護送中に襲撃され殉職するという内容を提案したがボツになったという。これ以前の雑誌のインタビューなどでも、強盗の発砲の巻き添えを食って殉職するなどの案を語っていた。生き残った他の出演者たちも“卒業”=“殉職”と捉えていたようで、死ねなかったことで、“ケジメがついていない”と感じることもあるようだ。

上杉純也

デイリー新潮編集部

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