「爆破シーン」体験ツアーが大人気 特撮や西部警察ファンにはたまらない? 企画した旅行代理店に聞いた

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鈍かった出足

 佐々木さんは約20年間、観光ツアーの企画に携わってきた。経験豊富なベテランの頭の中で、「コロナ禍に苦しむ大学生」と「爆破体験」がつながった。

 コロナ禍によるストレスに悩まされている人は多い。自粛モードを強いられてから、早くも2年が経過した。この爆破体験でストレスが吹き飛ぶ人は多いのではないか──。

「『これほど面白い体験なら、若い人だけでなく様々な年齢層の人に楽しんでもらえるはずだ』、『インスタ映えという観点からも話題になるかもしれない』ということも同時に考えました。急いで企画を練り、5月の社内会議で提案しました」(同・佐々木課長)

 会議でも「これはいける」と全員が賛成した。ところが、6月にツアーの販売をスタートさせたところ、出足は鈍かった。

「『まだ夏休みまで間があるからかな』と考えていると、シナリオライターの青木健生さんが興味を持ってくれたようで、Twitterでツアーの募集広告を『すげー行きたい』と写真入りでツイートしてくださったんです。一気にSNSなどネットで拡散し、メディアからも取材依頼をいただきました。おかげさまで84人の定員が満席となり、キャンセル待ちを希望される方も、かなりの人数となりました」(同・佐々木課長)

老若男女が予約

 9月10日の追加販売を行うと、8月4日現在で61名が申し込み、残りは23席。更に10月下旬にも実施が予定されている。

「私が実際に体験したことで、『様々な年齢層のお客さまに楽しんでもらえる』と確信できました。予約状況を見てみますと、予想通り性別や年齢に偏りはありません。1人のお客さま、グループ、家族連れと、幅広いお客さまから申し込みをいただいております」(同・佐々木課長)

 爆破体験と聞くと、特撮や刑事ドラマのファンが中心というイメージを持つかもしれない。だが、予約者の年齢層だけでなく“参加動機”も様々なようだ。

「もちろんマニアックな方もいらっしゃるはずですが、新郎新婦が爆破をバックに動画を撮影して結婚式で上映するとか、ご家族が記念撮影をするとか、本当に色々なアイディアをお持ちのようです。ツアー当日、どのような撮影が行われるのか、どのような感想を口にしてくださるのか、何よりも私たちが楽しみにしています」(同・佐々木課長)

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