踏んだり蹴ったりの巨人 投手陣はなぜ崩壊したのか【柴田勲のセブンアイズ】

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新型コロナ陽性者多発で活動停止

 巨人に衝撃が走っている。すでにご存じだと思うがコロナ禍でしばらくの間、活動停止になった。チーム内のコロナ陽性判定者が67人にも上ってしまったのだ。

 19、20日の2日間で主力選手、コーチを含む57人が新型コロナウイルスの陽性判定を受けていたが、21日も新たに選手8人、スタッフ2人が陽性となり、これで合計67人の感染が確認された。その67人のうち支配下選手は34人だ。球団が支配下枠で保有している69人の約半分だ。

 22日からの中日3連戦(バンテリンドーム)は延期となった。巨人だけではなくどこのチームにも起こりえることだが、67人か……これはもう緊急事態だ。

 巨人だって全員で気を付けていたと思う。だが、野球は団体競技だ。チームで戦っている。ロッカーを共有する。食事、風呂だって一緒だ。一人がかかれば次々と伝染する。これは不可抗力だ。

 現在、子供たちの感染が増えている。野球界では独身者はともかく、主力選手たちの年代では小さな子供や小学生、コーチたちになると中学生以上の子供がいるケースが多い。感染対策をしてもコロナは襲ってくる。とにかく一人一人が気を付けるしかない。

続く巨人の不調

 巨人は「踏んだり蹴ったり」だ。コロナ禍で主力を欠くヤクルトに19、20日と連敗し、4カード連続負け越しだ。9連戦は2勝7敗で借金は今季ワーストの5となった。リーグ最速で50敗に到達し、18年以来4年ぶりとなる球宴前の借金ターンとなった。さらには今月6試合を残して5月から3カ月連続での月間負け越しが決定した。

 5位で最下位中日とは3.5ゲーム差だ。

 巨人は連戦中、4試合連続で満塁弾を食らっている。プロ野球新記録だという。15~17日の広島3連戦(東京ドーム)から18日のヤクルト戦までだが、この試合では先発した菅野智之が1回に6番のホセ・オスナに外角高めの直球を右翼席に運ばれた。

 この試合は最終的には乱打戦を制して勝利を収めたが、3戦連続満塁弾を浴びるだけでも不名誉なのにダメ押しでエースがやられた。今季の菅野、今季の巨人投手陣を象徴するシーンだったと思う。

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