NHK党ガーシーの「捨て身」選挙戦術が岸田首相の最側近に波及して、暴露系YouTuberが国会議員になる日

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首相の側近中の側近

「確かにウクライナ人歌手チーナ・カーロリさんが5月16日、岸田首相を表敬訪問した際、官邸に同行していたのは三木谷会長です。三木谷会長はウクライナ侵攻直後に個人として10億円を寄付するなど、ウクライナ支援に熱心。永田町では、その三木谷会長がよりによってということで『デマ』として一蹴する雰囲気でした。

 ところがガーシーが暴露第二弾として、昨年末に三木谷氏が行った別のパーティーに木原誠二官房副長官が同席していたと発信したあたりから騒然となってきました」(政界事情に精通する永田町関係者)

 木原誠二官房副長官といえば、岸田首相の側近中の側近として知られる。

 一方で昨年12月に「愛人と隠し子」騒動が報じられた人物。財界人のパーティーに政治家が出席すること自体は珍しくもなく、三木谷会長からすれば「いい迷惑」だろうが、木原官房副長官自体のイメージが上述の報道などからさほど良くないことも手伝い、この「暴露」は永田町でも大いに注目を集めることとなった。

 劣勢が伝えられる野党陣営からすれば、何にしても拡散したいネタでもある。かくして嘘か真か判然としない「暴露」のターゲットがついに政権中枢に及んだ形だ。

有権者が熱狂した場合

「東谷氏が出馬表明をした際は、憲法が保障する国会議員の『不逮捕特権』と『免責特権』目当ての『キワモノ候補』だという冷ややかな視線がありました。しかし、コロナ禍とウクライナ危機後の円安・物価高で苦しめられる庶民は、既得権益層による政治に辟易としています。

 既得権益に対する不満がアメリカでトランプ大統領を生みだし、4月の仏大統領選でルペン候補を躍進させてマクロンを追い詰めたとも言えます。今では、なりふり構わない捨て身の暴露選挙術にネット民が喝采を送る光景に、深刻な脅威を覚える声も挙がっています」(前出・永田町関係者)

 ガーシーがかつて経営していたアパレルブランド「QALB」(カルブ)のブランドロゴは「NO MERCY」(慈悲はなし)だった。

 NHKの政見放送をはじめ、選挙期間中の候補者には「100%」に近い表現の自由が保障される。「死して屍拾う者なし」を地で行く捨て身の暴露戦法に有権者が熱狂した場合、ひょっとしたらガーシー議員が誕生するかもしれない。いろんな意味でNHK党とガーシーから目が離せない状況になりつつある。

デイリー新潮編集部

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