テレビ業界に大異変 総個人視聴率が史上最低を記録 テレビ離れは進む一方?

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テレ朝は4位

 テレ朝も「科捜研の女」や「警視庁・捜査一課長」などシニア層に人気だった「木曜ミステリー」枠を今秋での終了を発表した。これもコア重視への移行と見ていいだろう。

「テレ朝が世帯視聴率にこだわり、念願の三冠を達成した昨年度を、コア視聴率で見た場合どうなると思いますか? 実は、三冠は日テレ、2位はフジテレビ、3位はTBS、4位がテレ朝なんです」

 それにしても、王者・日テレとかつての王者・フジが、今も拮抗しているとは……。

「日テレは、関東地区のスポット広告のシェアが30%に届こうとしているので、圧倒的ですけどね。フジの場合、“世帯視聴率を狙いに行かない”“コア重視”を打ち出し、高齢層を拒否するようなタイムテーブルとなっています。そこまでしないと商売にならないからです。そのようにしてフジはコア2位となりましたが、世帯視聴率は低くなり、大票田であるM3(50歳以上の女性)、F3(50歳以上の男性)を切り捨てたために、個人視聴率も低くなってしまった。そんな中、世帯視聴率を追ったテレ朝の広告収入が落ちていくのは当然のことです」

 それでも、全体の視聴率であるPUTが過去最低を記録した。小さくなるパイを奪い合いっているようにも見えてくる。

ドラマの総崩れ

「実は、6月第1週と第2週のPUTはそれほど悪くはなかった。第1週の6日は『サッカー・キリンチャレンジカップ2022・日本代表×ブラジル代表』(日テレ)で、世帯22・4%、個人14・0%を記録しました(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)。親善試合にもかかわらず箱根駅伝並みの数字を上げ、この一戦で週の平均を上げたのです。また、第2週は12日の日曜劇場『マイファミリー』(TBS)の最終回で、個人10・3%、世帯16・4%を上げ、これも全体を押し上げた。つまり、コンテンツさえ良ければ、今もPUTは上がるのです」

 今期のドラマは「マイファミリー」を除けば、総崩れ状態だった。

「キムタク(木村拓哉)の『未来への10カウント』(テレ朝)は平均10・9%、綾瀬はるかの『元彼の遺言状』(フジ)は平均8・2%。ドラマはもちろん、彼らが番宣で出演したバラティ番組も注目されなかったため、PUTも下がっていきました。テレビ離れと言われるものの、若い女の子たちだってドラマの話で盛り上がっています。彼女たちも何らかの方法で、人気ドラマはチェックしているのです。今期はそれがなかったということでしょう」

 さらに、バラエティ番組にも危機が。

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