「ナンバMG5」は「ポツンと一軒家」より上 ドラマ界はコア視聴率重視で激変の事情

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新ドラマも若者向け

 6月末には新しい民放ドラマが始まる。町田啓太(31)が主演し、陸上自衛隊員たちの青春を描いた「テッパチ!」(フジ系)や青春群像劇にラブストーリーと復讐劇を絡めた「六本木クラス」(テレ朝系)、戦国武将のクローンたちが高校で覇権を争う異色ヤンキー作品「新・信長公記~クラスメイトは戦国武将~」(日テレ系)など、やっぱり若い人向けが目立つ。この流れは止まりそうない。

 民放のコア視聴率重視は一昨年から本格的に始まり、それが功を奏したこともあって、在京民放5社の2022年3月期(2021年度)決算はすべて増収増益だ。

 もっとも、それは観る側には関係のない話。このままでは50代以上の視聴者も楽しめる民放ドラマが消えてしまう可能性が高い。

 世帯視聴率の全盛期だった10年前の2012年、フジは小泉今日子(56)と中井貴一(60)の共演で大人向けのラブストーリー「最後から二番目の恋」を制作した。同じ年、TBSは外務省機密漏洩事件をモチーフにした社会派ドラマ「運命の人」を本木雅弘(56)主演で放送した。

 たが、コア視聴率重視の時代となったので、この両ドラマのような作品を再び観るのは極めて難しいだろう。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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