タクシー会社「100歳会長」が退任で功労金16億円 8億円の赤字に株主は怒らないのか

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松下幸之助は11億円

 他の日本の経営者の退職功労金はいくらか。

「今年6月の株主総会で退任する、サンリオ創業者の辻信太郎会長の特別功労金は3億円です。私は低いと思っています。功労金で最も高額だったのは、2014年にCEOを退任したオリックスの宮内義彦氏で、44億円でした。2003年に退任したソニーの大賀典雄氏は16億円です。どちらも創業者ではありません」

 ちなみに、松下電器(現・パナソニック)の創業者である、松下幸之助の慰労金は11億円だった。

「第一交通と似たようなケースといえば、1949年に創業した三井ハイテック(本社・北九州市)という会社があげられます。超精密加工技術で工作機械などを製造する会社で、創業者の三井孝昭氏は一代で技術開発型グローバル企業に成長させました。2009年、彼の退職功労金は14億円でしたが、私は妥当な金額だと思います」

 黒土氏の昨年度の役員報酬は3億1000万円。一方、社員の平均年収は399万円だった。

「黒土氏の役員報酬が高すぎるのではという批判があるようです。しかし、『日経ベリタス』(2021年6月27日号)によると、日米の社長の給与を比較すると、アメリカは日本の16倍となっています。私に言わせれば、日本の経営者は給与が低すぎるのです」

 アメリカのダウ30社のCEOの平均給与は23億5000万円。日本の経営者で給与が1億円を超える人は296人で、平均額は1億4700万円だった。

「黒土氏は、5台のタクシーを9000台まで増やして、日本最大のタクシー会社にまで成長させた経営者です。役員報酬が3億円を超えても問題ありません」

デイリー新潮編集部

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