「慰安婦は売春婦の一種」発言で刑事訴追された韓国人教授の告白 「本質は悲惨な貧困」

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「構造的強制」という盾

 にもかかわらず、絶対に乗り越えられない壁が一つ残っている。他でもない「慰安婦」問題だ。

 この問題は、特に今日「フェミニズム談論」に慣れている女子学生たちからの抵抗が強い。あらゆる資料を動員して「慰安婦が強制的に連行されて奴隷のような生活を送ったと見るには無理がある」という説明をしても、彼らは結局、広い意味の「構造的強制」という概念を盾にして耐える。

 しかし、全国民が熱心に働かない時代はなかったように、広義の「構造的強制」がなかった時代もない。

「過去の植民地・朝鮮であれ、今日の発展した韓国であれ、または、後進国であれ先進国であれ、伝統社会であれ近代社会であれ、広義の“構造的強制”がない現実社会は存在するのか」

 ということだ。

 まさにこの「構造的強制」という虚像をめぐる対立と論争が、筆者を刑事法廷に立たせた2019年9月17日の延世大学事件を作り出したのだ。

三つの争点

 検察が問題視した私の講義中の発言は、2020年10月29日にソウル西部地方検察庁が、筆者を「日本軍慰安婦および挺対協(韓国の元慰安婦支援団体)に対する名誉毀損の疑いで在宅起訴」した直後、配布した「報道資料」で明らかになった。

 ここには被告人となった筆者が、

「(1)元日本軍慰安婦らが売春に従事するために自発的に慰安婦になった。

 (2)挺対協が、日本軍に強制動員されたと証言するように、元慰安婦らを教育した。

 (3)挺対協の役員たちは統合進歩党の幹部であり、挺対協は北朝鮮と連携しており、北朝鮮に追従している。

 という三つの趣旨の『虚偽事実を発言し、元日本軍慰安婦らおよび挺対協と尹美香の名誉を毀損』」

 したと書かれている。

 この三つの争点のうち、ここでは「元日本軍慰安婦らが売春に従事するために自発的に慰安婦になった」という争点に関する筆者の講義、および学生たちとの質問・回答内容をありのまま提示しよう。誰かによって不法に録音され、マスコミに流通した末、裁判の証拠にまで採択された音声ファイルに含まれている内容だ。検察が起訴した同刑事事件は現在(取材当時)、1審10次公判が2022年5月25日に予定されている。

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