岸田総理、就任後初のロングインタビュー 櫻井よしこが斬り込む「改憲」「核」「中国」

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中国が仕掛けてきたら何日持つ?

櫻井 国防に必要な分を積み上げるのは当然ですが、国家の意志を示す2%以上の数値目標は欠かせません。ウクライナが大方の予想に反して善戦しているのは、武器弾薬を西側がどんどん供給しているからです。軍事の専門家の方々に、万々が一、中国が攻撃を仕掛けてきて自衛隊が戦うとなれば、弾薬やミサイルの備蓄はどのくらい持つかと尋ねたところ、国家機密だと言いながらも、ある方は1~2週間、もう一人は1週間が限度、別の人は数日だとおっしゃった。銃なら1分間に何百発も消費しますが、自衛隊は圧倒的に弾薬が足りない。予算不足で弾薬の備蓄までとても手が回らない。国防の異常を正すためにも明確な数値目標が必要です。

岸田 なるほど。立場上、具体的にどの国が相手と言うのは控えますが、おっしゃるような事態で国民の命を守れるのか。何が必要か議論するには、あらゆる選択肢を排除せず考える姿勢は大事だと思います。

「専守防衛」は戦後憲法の悪しき面か

櫻井 国民の命と国土を守るために、必要なことは他の国々と同じように最大限の努力でやり遂げるという決意ですか。

岸田 もちろん、そうしなければなりませんし、国際秩序の根幹が揺るがされる事態を目の当たりにしている時だからこそ、議論を行えば国民の皆さんも必ず理解してくれると思います。

櫻井 各種の世論調査を見ると、政界の方々よりも国民の方が強い危機感を抱いています。ウクライナ問題でロシアと中国を重ねて考える方々が増えている。一方で、先の自民党の提言は「専守防衛」の精神を基本的に維持したままです。先ほど総理は、自力で国を守る必要性を述べられましたが、それを実現するため日本は根本から変わらないといけない時期に来ている。「専守防衛」は戦後憲法の下、日本を二度と軍国主義に走らせないとの発想から生まれてきたものです。攻撃されたら反撃するという形は、他の国々とは正反対の、戦後憲法の“悪しき面”を引きずっていると考えます。

岸田 私は“悪しき面”とは言いませんが、「専守防衛」は憲法の精神に基づく我が国の安全保障の基本方針です。国際社会も日本の安全保障体制の前提として認識しているわけで、それを変えたら周辺国とのバランスにも影響が出てしまいます。

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