「過度な自粛こそがリスクだ」 音楽フェス主催者が語る「こんなご時世に佐賀・唐津でフェスをやる理由」

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イベント叩きの負の連鎖

 当然ボランティアも感染対策については指導を受けているが、果たしてフェスはこれからどうなるか。KSCは唐津に何をもたらすのか。山崎氏はこう語る。

「KSCが今年のみの開催であるか、毎年開催されるようになるのかで大きく違ってくると思います。当然、地元では『毎年開催して欲しい』と思っていらっしゃる方々が多いです。将来KSCが定着したら、KSCを楽しむ1泊2日だけでなく、唐津に2泊、3泊される方も増える事は容易に想像されますから、観光地、飲食店など多くの人々に恩恵がもたらされることになりますね。

 KSCが長く続く事は、さほど困難な事ではないと思ってます。『唐津は魅力的な町』です。しかしながら魅力的な町という事を心底実感する人は唐津にずっと住んでる人以外の人です。初開催であるKSCですから初めて唐津に来る人も多いでしょう。その多くの方達は唐津そのものを好きになってもらえると思います。お客さんも、出演されるアーティストもスタッフの皆様達も、我々は歓迎とおもてなしの気持ちを持ってお迎えします。『また来年も来たい』『また来年も来て欲しい』そんな双方の想いが生まれたら『継続していくしかないんじゃないかな』って思います。楽しい事に対して積極的に行動できる方達が集結する28日29日です。そんな人達に接する事が出来る環境にある事をとても幸運に思います」

 これまで「東京五輪を開催すると人が死ぬ」「だんじりをするとクラスターが発生する」などと散々大規模イベントは批判を浴びてきた。そして実際に終了してみるとクラスターは発生せず、人々は次のイベント叩きに移っていった。そんな風潮がなくなるよう前出の山口氏・橋村氏・山崎氏は期待をしている。

中川淳一郎
1973(昭和48)年東京都生まれ。ネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『夢、死ね!』『バカざんまい』など。

デイリー新潮編集部

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