ドラマ好調の山Pとサロン全店閉店の手越… スキャンダル退所の“辞めジャニ”二人の明暗を分けたもの

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学歴に差はなくとも…手越さんは「有能さ」と「信頼感」の違いを軽んじた?

 かといって、二人の能力の差が大きいというわけでもないのだろう。インスタでは二人とも英語を駆使し、手越さんは早稲田大学中退、山Pは明治大学卒業と、学歴も立派である。どちらも歌もダンスもうまくて優秀、ただキャラが真逆なだけ。ザ・陽キャな手越さんと、孤高の優等生というたたずまいの山P。手越さんはヒカルさんやHYDEさん、デヴィ夫人など人気者とのショットも多いが、山Pはほぼ自分のみ、マスク姿で顔半分が隠れている投稿もしばしばである。

 またアグレッシブな手越さんに対し、山Pは保守的にも見える。整った顔立ちもあって、ドラマでも典型的な二枚目役が多く、主演を重ねてもどれも一本調子の演技に見えがちな弱点を抱えていたのではないだろうか。海外ドラマでも口数少ない役柄で、表情の乏しさも目立った。プライベートもベールに包まれている。ただ、無理に三枚目役に手を出したりせず、鉄仮面キャラを貫いたのが功を奏した。特に今期の「正直不動産」が好評なのはうなずける。うそをつくのもいとわない、功利的な不動産会社員、という設定がすんなりハマるのだ。うそをつけなくなり調子が狂うとはいえ、もともと冷血漢なら感情表現も豊かすぎない方が自然に見える。かつてのステレオタイプなハンサム役より、山Pの魅力が生きているように感じるのは私だけではないはずだ。

 雄弁に話し続け、多才な自分を見せることを選んだ手越さん。余計なことは話さず、クールキャラを貫くことを選んだ山P。どちらも「有能」、でも「どちらを仕事相手として信頼できるか」と問われたら。沈黙は金、雄弁は銀という言葉もある。口数が多いほど、相手に与える安心感や信用度が減ることは珍しくない。手越さんは、有能さはアピールしてナンボ、有能だと知ってもらえれば成功につながると安易に信じすぎていたのではないだろうか。

「ファンを大切にする」は言うは易し…

 それでも手越さんが見せた、ファンや視聴者へのサービス精神は受け止めたい。会見でも終始、「ファンの子のために」と繰り返していた。ジャニーズの外でも有能で人気者の自分を見せることが、第二ステージでのファンへの恩返し。そう考えていたはずだ。

 ただ欲張りすぎたせいで、YouTubeもサロン経営もどっちつかずの結果を招いた。自分を過信したというと残酷だが、彼を信じてきたファンをがっかりさせてしまい、一番悔しいのは彼自身だろう。山Pは黙して語らずの姿勢でファンをやきもきさせただろうが、ここへきて結果を出している。ことさらに「ファンのために」と言わずとも、これも立派なファンサービスだ。

 手越さんは山下さんの3歳下、34歳とまだ若い。底から這い上がって成功する姿こそ、男の夢というかロマンの定番であるとも思う。甘いマスクと巧みな話術、抜きん出た愛嬌を生かせる場所は、何もテレビだけではない。そう遠くない未来に、ドヤ顔で出馬表明をする彼を見るような気がしている。

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