山下智久「正直不動産」は隠れた名作 今どき珍しいドラマと言えるワケ

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

Advertisement

NHKならではの描写

 不動産はすべての人が関わるものでありながら、大半の人にはよく分からない。難しい。その内実を描いたのもヒットの理由の1つだろう。

 悪徳不動産業者の騙しのテクニックも活写している。不動産業界が大口スポンサーである民放でのドラマ化は無理だ。

 例えば民放が大量にCMを流すアパートなどのサブリースは、不動産会社がオーナーから一括して借り上げるため、一定の賃料収入が見込めるというプラス面がある。管理の手間もかからない。半面、賃料減額をめぐりオーナー側が不利益を蒙る場合もある。これをドラマに盛り込めるのはNHKならではだろう。

 出演陣は適材適所。善玉も悪玉もできる山下智久はハマり役。福原遥(23)も新人営業ウーマン役が似合う。永瀬の良きライバル・桐山貴久役の市原隼人(35)も凛々しくていい。

 ほかの出演陣も大地真央(66)、倉科カナ(34)、高橋克典(57)、草刈正雄(69)と見応えのある演技をする人ばかり揃っている。これも人気の要因だ。

 17日に第7話の放送が終了。同日深夜から第3話以降の再放送が始まった。第1話と2話の再放送は4月19日に済んでいる。第3話は18日(水曜)午前2時に放送済みだ。以降の再放送のスケジュールは次の通り。

 第4話19日(木曜)午前2時10分から。第5話20日(金)午前1時55分から。第6話は同日午前2時40分から。

 4月期で屈指の出来映えのドラマであるのは間違いない。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 4 次へ

[4/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。