【追悼】渡辺裕之さん、俳優業でもゴミ拾いでも貫いた「完璧主義」

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仕事がない時でも安心

 渡辺さんにとってゴミ拾いは、〈俳優って仕事のないときは不安なんですよ。でもゴミ拾いをしてるとね、ちょっとは社会の役に立っているなと思って安心できるんですよ〉といった側面も持っていた。

 一方で、こんな生真面目な一面も。

〈厚いマンガ誌も濡れると重いしね。おかげで上腕二頭筋が鍛えられる。トングを使うときには片足スクワットでやったりもするんです〉

 また、多趣味でも知られた渡辺さんは、

〈デビュー前から英会話や簿記などの検定の他に、フェンシングや空手、水上スキー、アイススケートなどなど20種類以上の特技がありました。役者になった後もパラグライダーやゴルフ、スキューバダイビング、ロードバイクなどにも取り組んできました〉(「週刊新潮」12年3月22日号)

 と話し、その理由として、

〈俳優である以上は、特技を持っていないといけません。日頃から、少しでも多く特技を持っていることが、仕事をする上で重要だと考えています〉(同)

と語っていた。

 当時、ラジコンヘリコプターにハマっていたという渡辺さんは、

〈高速道路で渋滞にはまった時など、自分の車だけ宙に浮いて脱出できたら良いなあ……なんて、皆さんも一度は思ったことがありませんか。そんな夢を疑似体験できるのが、ラジコンヘリの魅力なのです〉(同)

 そして、こんな言葉も遺していた。

〈私の健康法は、とにかく楽しく仕事をして、笑いの多い家庭であることが第一と考えています〉(「週刊新潮」10年3月11日号)

“コロナがなければ……”との感慨を抱かずにいられない、早過ぎた死だった。

デイリー新潮編集部

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