綾瀬はるか、上野樹里、柴咲コウ……豪華キャスティングの春ドラマが揃って大苦戦のワケ

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同時配信が首を絞めた

“逃げ恥”、“ギボムス”、“恋つづ”……とヒット作を連発しているTBSの火曜ドラマに初主演したのは上野樹里(35)だ。“じぞ恋”こと「持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~」は松重豊(59)との父娘同時婚活というストーリーだが、こちらは初回から1桁が続いている。

「戸田恵梨香(33)の体調不良によって上野が急遽代役に立てられたと報じられていますが、ちょっと気の毒ですね。彼女は『監察医 朝顔』(フジ)、松重は『孤独のグルメ』(テレビ東京)で高い評価を受けました。2人とも恋愛ドラマ向きとは思えません」

 それにしても、揃いも揃って、こんなに数字が取れないのは珍しい。

「実は、4月の月間PUT(総個人視聴率:ビデオリサーチ調べ)が、調査開始以来、最低を記録したんです。PUTとは、調査対象となる世帯の4歳以上の個人全体の中で、どのくらいの人がテレビをリアルタイムで視聴していたのかという割合で、新型コロナの緊急事態宣言下では在宅が増えたために上がっていました」

 通常の生活に戻りつつある今、その反動が来ているということだろうか。

「それだけではありません。一因と考えられるのが、4月11日から始まった、民放キー局によるTVer同時配信です。日テレは昨年10月より始めていましたが、民放全局が出揃ったのはこの4月でした。皮肉にもPUTの数字を見ると、『もう番組はテレビで見なくていい』とテレビ局が自ら宣伝した影響のようにも思われます」

 さらに若者のライフスタイルの変化が追い打ちをかけているという。

録画は3倍速で見る

「彼らにとっては、リアルタイムでテレビを見るために、わざわざ帰宅するのはバカらしいというわけです。TVerがあるわけですし、たとえ録画しても、CMを飛ばして1・5~2倍速で見るのがトレンドです。中にはネタバレ記事を読んでから3倍速で見て、面白そうなところだけ1・5倍速という猛者もいるそうです」

 これでは視聴率は上がりようもない。だから他の連ドラも推して知るべしという。

「今田美桜(25)の『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』(日テレ)は、1992年に石田ひかり(49)が主演した『悪女(わる)』(前同)を超えられていません。間宮祥太朗(28)の『ナンバMG5』(フジ)は、『今日から俺は!!』(日テレ)の二番煎じ。高橋一生(41)と柴咲コウ(40)の『インビジブル』(TBS)は、原田泰造(52)と久本雅美(63)の芸人2人が足を引っ張り見る気を失わせる。『パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~』(日テレ)で科学者を演じる岸井ゆきの(30)は知名度不足。かつて堂本剛(43)、松本潤(38)らが主演した『金田一少年の事件簿』(日テレ)の道枝駿佑(19)も、先輩たちに比べればまだ力不足と思わざるを得ません」

 いずれも初回から1桁連発のドラマである。

「次回が楽しみというドラマがありません。多少は荒唐無稽でも構わないので、エンターテインメントが欲しい。『半沢直樹』(TBS)の顔芸や『天国と地獄~サイコな2人~』(前同)のセクシーネタ、『ミステリと言う勿れ』のモジャモジャ頭でもいいんです。来週が楽しみという作品が欲しいですね」

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