3位転落の巨人 起爆剤に指名された中田翔の打撃フォームに必要なこと【柴田勲のセブンアイズ】
守護神の(翁田)大勢が……
巨人がひどいことになった。ゴールデンウイークは1勝8敗、アッという間に首位から3位に転落した。
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8日のヤクルト戦、1点をリードした9回に守護神の(翁田)大勢を投入して勝てると思ったが踏ん張り切れなかった。逆転負けで今季2度目の3タテを食らって4連敗、負の流れを止めることはできなかった。
1死から代打・中村悠平にフルカウントから左翼線に二塁打、続く塩見泰隆にはやはりフルカウントから打ち取った当たりが遊撃内野安打となった。一、二塁となり山崎晃大朗に初球、155キロの真っすぐを捉えられた。
逆転の2点二塁打となった。
ここまで打者4人で16球中、15球が真っすぐで1球はスライダーだった。打者は基本的に真っすぐ狙いだ。追い込まれてフォークなどの変化球を考える。カウントを取るのにもっとスライダーやカーブといった変化球を使ってもよかった。
大勢、確かに真っすぐは速い。球威はあるが、そりゃ甘くなれば打たれる。コントロールが悪くベルト辺りに集まっていた。山崎への一球は不用意だった。
だが開幕ダッシュの原動力となった大勢である。新人である。責めることはできない。反省材料として次につなげてほしい。
続々と離脱
エース・菅野智之が右ヒジ違和感、主将・坂本勇人が右ヒザの負傷で出場選手登録を抹消された。これだけでも痛いのに吉川尚輝が4日の広島戦(マツダ)で左肩に死球を受けた。肩甲骨挫傷と診断されて出場選手登録を抹消された。
吉川尚、坂本、丸佳浩、そして岡本和真の4人は絶対に離脱してほしくない主力だが、エースに続いて2人抜けた。
巨人で現在考えられるベストの1・2番であり二遊間のコンビだ。原辰徳監督は初回での得点をテーマに掲げていた。巨人は5月7試合で計17得点、1試合平均で約2.4点である。急激な下降線をたどったのはもっともだ。
原監督はこの危機的な状況に2軍で調整中の中田翔の再昇格を決めた。10日のDeNA戦(新潟)から合流する。いわば、打線の起爆剤として指名した格好だ。
中田は日本ハムから移籍して今季2年目で開幕当初は中軸に座っていたが、期待に応えられず(※1)4月22日には首のコンディション不良もあって出場選手登録から外れていた。
2軍降格後はそれなりの成績(※2)を残しており、中田なりに状態の改善を目指していたようだ。今度こそ原監督の期待に応えることができるのか。
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