すず派? アリス派? なぜ私たちは広瀬姉妹に一言いいたくなってしまうのか 正反対に見えても共通するイメージ戦略

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ジブリヒロイン的なすず、ディズニーヒロイン的なアリス……真逆のイメージで王道ヒロインを邁進する姉妹の「健気さ」売りという共通点

 日本人は陰のある美少女が好きである。アニメにしろアイドルにしろ、元気いっぱいなヒロインよりは、寡黙な美少女に健気さを見出す面が強いのではないだろうか。

 その最たるものがジブリヒロインたちだと思うのだが、すずさんが演じる役と重なる部分が多い。親の存在感が薄く、言葉数が少ないが行動力が秀でた美少女たち。孤独な境遇でひたむきに、悲しみをこらえて戦うヒロイン像は、すずさんによく似合う。

 でもアリスさんの立ち位置はちょっと違う。言うなれば、ディズニーヒロインだ。明るく感情表現が豊かで、人を疑わない。怒ったりもするが、誰かのためにその身を投げうつこともいとわない。彼女たちもやはり、健気である。

 広瀬姉妹はきっと、2次元ヒロイン的な健気さをどちらも体現しているのだろう。まぶしいほどの美貌の裏に、必死にあがく人間臭い部分がある。批判を受け止め寡黙に歩み続ける妹、葛藤を抱えながらも明るく振る舞う姉。見せ方が真逆なだけで、どちらも健気キャラの王道だ。すずさんをあざといという人もいれば、アリスさんがわざとらしいと見る人もいるだろう。それだけ私たちは広瀬姉妹に心乱されている。結局のところ、目が離せないのだ。

 どっち派論争が起こったところで、本人たちは至って仲の良い姉妹のようである。「ちはやふる」では一瞬の「姉妹共演」もあったが、この先演技対決もあるのではないだろうか。メイとサツキでもなく、アナとエルサでもなく、広瀬姉妹ならではのヒロイン像を見てみたい。

冨士海ネコ

デイリー新潮編集部

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