ホークス「工藤監督」は“読唇術”で認定され…判定に納得がいかず暴言を吐いた監督3人

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トレードマークのボヤキが大問題に

 日本のプロ野球界では、リクエスト制の導入以来、判定をめぐるトラブルは減ったとはいえ、納得のいかない判定に監督が不満をもらすケースは、今もあとを絶たない。過去には、不満が高じて思わず口をついて出た監督の言葉が、“暴言”として問題になったことも少なからずあった。そんな球史に残る「監督の暴言」を振り返ってみよう。【久保田龍雄/ライター】

 トレードマークにもなっているボヤきが大問題に発展したのが、ヤクルト時代の野村克也監督である。1994年5月21日の巨人戦。問題のプレーは、4対3とリードしたヤクルトの8回の攻撃中に起きた。

 2死二塁と追加点のチャンスに、飯田哲也は橋本清の初球、外角低めフォークを見送ったが、山本文男球審の判定は「ストライク!」。自信を持って見送った飯田は「あれがストライクなら、毎日、完全試合ができる」と不満を爆発させ、野村監督もベンチから飛び出して抗議したが、判定は変わらなかった。

 結局、飯田は中飛に倒れ、この回は無得点。9回に池山隆寛の3ランが飛び出し、7対5で逃げ切ったものの、勝利後も野村監督は納得できず、「あんまり言いたかないが、13対9で戦わないかんのだから大変だよ」とあてこすった。

 あたかも審判4人が巨人に加担しているような印象を与えかねない発言は、セ・リーグ・川島廣守会長の逆鱗に触れてしまう。3日後、川島会長は「プロ野球の公正さを疑わせる意味で、不謹慎のそしりは免れず、極めて遺憾」とヤクルトの酒井清人球団社長に電話で抗議し、善処を求めた。これを受けて、ヤクルト側も、桑原潤オーナーが川島会長を訪ね、陳謝した。

 球団から叱責を受けた野村監督は「想像と推測でモノを言ったのは、反省している。口を滑らせて、言ってはいけないことを言ってしまった」と、さすがにシュンとしていた。

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