日本はW杯「ドイツ戦」をどう戦うべきか 注目は森保監督が欧州視察で会った2選手

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層の厚いドイツ

 両者の実力差、そして初戦ということでドイツが前回大会と同じ轍を踏まないよう慎重な戦い方をしてくれば、その可能性も広がるだろう。

 そのためにもケアしなければならないのがドイツの2トップ、ディモ・ベルナー(チェルシー)とセルジュ・ニャブリ(バイエルン・ミュンヘン)だ。

 2人とも現在26歳と選手として最盛期を迎え、フィジカルの強さとスピードは世界トップレベル。ニャブリは所属するバイエルン・ミュンヘンでは右サイドで、ベルナーはチェルシーでは左サイドでの起用が多いが、2人とも1トップでも2トップでもシステムを選ばずプレーできるマルチロールなアタッカーだ。

 彼ら以外にもチェルシーの長身FWカイ・ハフェルツが1トップに入り、ニャブリが右に回るなど攻撃陣のタレントは多彩だ。

 守備陣に目を向けても、36歳のベテランGKマヌエル・ノイアーはペナルティーエリア外もカバーできる広い守備範囲と、至近距離からのシュートもブロックしてしまうビッグセーブは健在。

 DF陣は3BKと4BKの併用が予想されるが、チェルシーのCBアントニオ・リュディガーは190センチ、85キロ、バイエルン・ミュンヘンのニクラス・ジューレは195センチ、97キロの巨漢コンビのため、空中戦で勝つのは至難の業と言える。

失点は許されない日本

 このため日本は、守備に軸足を置きつつ、攻撃はカウンターが大きな武器になる。伊東純也のスピードはもちろん、前田大然や浅野拓磨らのスピードも武器になるだろう。

 あるいは、古橋亨梧のようなスピードとアジリティーを持ち合わせたFWを、ドイツの巨漢CBは苦手とするかもしれない。

 むしろ勝点を獲得するための課題は、失点しないことの方が優先される。現時点でのスタメン予想では、日本のDF陣は右から酒井宏樹、冨安健洋、吉田麻也、長友佑都となるだろう。冨安以外はオーバー30のため、スピードに不安を抱えていると言わざるを得ない。

 ロシアW杯の頃の酒井は、練習でも浅野と互角のスピード勝負ができる俊足の持ち主だったが、あれから4年が過ぎている。長友もJリーグでは若手に負けず奮闘しているが、年齢からくる衰えに不安を感じずにはいられない。

 そこでCBでは板倉滉、左SBでは中山雄太がレギュラー候補に名乗りをあげるのか。いずれにせよ、ドイツの快足FW陣のスピードをいかに封じるかが初戦の大きな見所になることは間違いない。

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