「マイナス7度で8時間列車待ち」 妹を頼って日本に避難したウクライナ人の証言

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尽きぬ心配の種

 あとは空の旅となった。飛行機でワルシャワからロンドンと乗り継ぎ、ようやく羽田へ。現在は、妹の家に身を寄せているが心配の種は無論、尽きない。

「とりあえず今は、私がお金を出しているけど、ずっと姉たちは養えない。それに、彼女たちは日本語も分からない。どうやって働いていけばいいのか」(同)

 日本政府は避難民に対し、90日間の短期滞在の資格に加えて、就労可能な「特定活動」の在留資格(期間は1年)を付与すると発表したが、彼らの前には言語の障壁が立ち塞がっている。

「姪も英語ならできるけど日本語はできない。だけど今、毎日少しずつ勉強を始めています」(同)

 前を向くしかないというのだ。もっとも、ナターシャさん自身はこう呟く。

「自分たちは逃げられたけど、ウクライナに残してきた友人たちが気がかり。いつ戦争が終わるかも分からないし……」

 国連難民高等弁務官事務所によると、3月27日時点でウクライナから国外に逃れた数は実に380万。日本にも200人以上の避難民が来日しているが、その数はまだまだ増えそうだ。

週刊新潮 2022年4月7日号掲載

特集「敗滅のプーチン」より

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