巨人、開幕ダッシュのウラに「原監督」「桑田コーチ」の英断【柴田勲のセブンアイズ】

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最高の開幕ダッシュ

 巨人が3月29日からのヤクルト(神宮)、阪神(東京ドーム)との6連戦で6連勝、開幕から9試合終了時点で8勝1敗(勝率8割8分9厘)だ。59年ぶりだという。

 最高の開幕ダッシュだ。いいスタートを切り過ぎて逆に反動がこないか心配だよ。

 オープン戦を見ていたら、頼りになるのはエースの菅野智之くらいであとの投手陣はどうかなと思っていた。ところが、ふたを開けてみれば若い投手たちが次々と出てきた。打線に関しては安心していたが、これは本当に大きい。

 菅野が二つ勝って投手陣を引っ張っている格好だ。勝ち投手にはなれなかったものの山崎伊織が初先発で頑張った。2日の阪神戦では制球に苦しみ4回途中で降板した。1回空けるということでファームでの再調整となったが期待は大きい。

 19年ドラフト1位の堀田賢慎が31日のヤクルト戦でプロ初勝利を挙げると21年3位の赤星優志も3日の阪神戦で続いた。セ・リーグの新人一番乗りでプロ初勝利だ。その前日には20年育成7位の戸田懐生にも白星が付いた。

 山口俊、高橋優貴が出遅れたこともあって原辰徳監督、桑田真澄投手チーフコーチは「フレッシュな投手でいこう」と決めたのだろう。この英断が吉と出た。

とにかくストライクが入る

 巨人は長い間ドラフトでクジ運が悪いということもあって苦労してきたけど、ここ数年は素材のいい選手が多かったのだろう。順調に育ってきている。そしてドラフト1位の(翁田)大勢、平均150キロを超える真っすぐと切れ味鋭いスライダー、それにフォークを武器に初登板から6試合連続のセーブを挙げている。これはプロ野球新記録だ。
 
 山崎伊、堀田、赤星は“こりゃすごい”というボールを持ってはいないが、とにかくストライクが入る。コントロールが良く打者を早めに追い込む。大崩れしない。ムダな走者を出していない。

 菅野は2試合を見ている限りストライクゾーンが打者のベルト辺りに集まっている。困った時は変化球でしのぐ。球威・球質という点ではもちろん、菅野に軍配が上がるが、三人はもう少し低めに制球されている。メルセデスもそうだが、テンポよく低めに投げていた。安心して見ていられる。
 
 若い投手たち、いまは無心で投げているが、そりゃ相手はプロの打者たちだ。パワーがあれば巧さもある。そのうち打たれ出すと、考え方が変わってくる。

 いい球をコースに投げよう。くさいところを突こう。こんなことは考える必要はない。ストライクを先行させてボール気味を振ってもらう。打ち取る。ストライクが先行している間はなんとかなる。

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