鈴木誠也の「5年100億円」契約の裏にあった三つの“棚ボタ” なぜここまで高騰した?

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 広島の鈴木誠也外野手(27)がポスティング制度によりカブスと契約した。5年契約で総額8500万ドル。日本円にして実に100億円を超える。失礼ながら、分不相応な額に映るが、

「賃金水準が低い“安すぎる日本”には特にそう見えるのでしょう。とはいえ、8500万ドルという数字は大リーグでも破格です」

 とスポーツ紙大リーグ担当記者が語る。

「当初、彼のプライスタグは3~4年契約で30億~40億円程度とされていました。それが幾つもの“棚ボタ”が重なって、バブルのように高騰していったのです」

 第一の“棚ボタ”は、今季からナ・リーグでも導入される“DH制”である。

「これにより、各球団の野手のレギュラー枠が1枠増えた。つまり、ナ・リーグ全体で一気に15個の空席が生じたのです。守りの上手い誠也がDHで使われることはありませんが、どのチームにも守備が下手な強打者はいる。誠也を獲得してその選手をDHに回せば、チームの守備力もアップして一石二鳥です」

ロックアウトも後押しに

 しかも、大リーグ研究家の友成那智氏によると、

「今オフのFA市場で、守備が上手い外野手は、誠也とマルテという選手の二人だけ。そのマルテは11月末に早々と移籍先が決まった。つまり、市場にライバルがいなかったのです」

 これが第二の“棚ボタ”。そして、ダメ押しとなったのが、“ロックアウト”である。先の記者によると、

「本来のポスティングは交渉期間が30日間に限られ、選手側は決断を急かされていた。ところが、労使交渉が難航してロックアウトとなった今オフは、ロックアウト中の交渉が表向きできないため、交渉期間に算入されなくなったのです」

 そうした中、交渉は水面下で行われ、

「カブスの他にジャイアンツやパドレスなど複数のナ・リーグ球団からラブコールがあり、ロックアウト中も誠也の値段がぐんぐん上がっていったのです」

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