今年は「延長12回制」が復活! 阪神、ヤクルトは不利に…有利になる球団はどこだ?

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過去2年間以上により重要

 いよいよ開幕が迫ってきた今年のプロ野球に大きな影響を与えそうなのが、「延長12回制」の復活だ。コロナ禍で一昨年は延長10回まで、昨年は9回打ち切りだったことで、引き分けとなる試合数が大幅に増加したが、今年はそれ以前の水準に戻る可能性が高い。そうなれば、重要になってくるのは、やはりリリーフ投手陣だ。オフに高梨雄平(巨人)に話を聞く機会があったが、昨年、原辰徳監督がよく用いていた1イニングに多くの投手をつぎ込む起用についての話題となった時にこんなことを話していた。【西尾典文/野球ライター】

「自分の場合は去年のような(1イニングに多くの投手が登板する)起用は特に気になりませんでした。それよりも大変だなと思うのが延長12回に戻ることですね。9回で終わりだと分かっていれば、ブルペンにいる投手もかなり準備しやすいですが、延長があるとなればだいぶ変わってきます。その感覚に戻すことに少し苦労するかもしれません」

 首脳陣も9回で終わりとなれば早めの継投に出ることが可能だったが、今年はそういうわけにはいかない。監督とブルペンを預かる投手コーチの采配は過去2年間以上により重要になってくることは間違いないだろう。前置きが長くなったが、今回は、延長12回制に戻ることによって有利な球団、不利な球団について探ってみたい。

投手陣のやりくりで苦労が少ない中日

 まずセ・リーグで有利になりそうなのは中日だ。昨年のチーム防御率3.22はリーグトップで、救援防御率も2.92をマークしている。最大の強みは柳裕也、大野雄大という長いイニングを投げられる左右の両輪の存在だ。

 ある程度リリーフを休ませることができる先発投手が2人いるということは、ブルペンにとって大きな救いである。また、リリーフ陣をみると、セットアッパーとして大活躍した又吉克樹がFAで退団したのは痛いが、人的補償で岩嵜翔を獲得できたのは大きい。

 他にも実績のあるリリーフ投手は多く、さらに森博人、清水達也といった若手やルーキーの石森大誠などの上積みが期待できる。他のセ・リーグ5球団に比べても、投手陣のやりくりに苦労する可能性は低い。

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