立憲・小沢一郎氏が手のひら返しの「泉執行部」を公然と批判 狙いは夏の参院選後の体制転覆

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ジェンダー平等とか多様化とか

 先に触れた2月27日の党大会は、総合選挙対策本部の幹部らのお披露目の場でもあった。

「小沢さんとしてはプライドを傷つけられた格好で、そこに出かけて行く気にはならなかったのでしょう。その後は表立って執行部批判をするようになっています」(前出・記者)

 その1つが冒頭の講演でのひと幕だ。ざっとこんなことを訴えたという。

《立憲民主党が主張するジェンダー平等とか多様化とか、それがどういうことなのか、ほとんどの国民が答えられない。わからないようなことを政治家が言っても仕方がない》

《かつて民主党は「国民の生活が第一」を旗印にしていた。国民の皆さんには非常にわかりやすいテーマだ。自分だけわかったつもりで言っても、聞いている人が全然理解できないのでは意味がない》

《国民の期待が立憲民主党にないのはなぜか。それは国民の胸に響く主張、訴えをしないから。そういう意味で、その時々の流行に乗るべきではない》。

 前出・記者によると、

「厳しい批判の言葉が続きましたし、何より小沢さんが大事にして折に触れて使ったり、自身が代表を務める政党名に使ったりした『国民の生活第一』という言葉が出たのには驚きました」

参院選敗北をすでに見据えて

 小沢氏の狙いとは何なのか?

「党内で最大勢力の旧社会党系のグループにアプローチしているという話もありますし、夏の参院選後に泉執行部の退陣を迫る腹づもりかもしれませんね。岸田政権はパッとしませんが、野党の体たらくはそれ以上で、参院選で自公が負けるシナリオはなかなか想定できません。選挙敗北となれば泉氏らはその責任を問われることでしょう」(先のデスク)

 もっとも、小沢氏自身、昨年の衆院選では小選挙区で落選し、重複立候補していた比例に救われた身だ。

「そんな小沢さんに、党内政局を支配する力があるのかといぶかる声も少なくありません」(同)

 権力闘争が極まれば、お家芸の分裂となりかねない。

デイリー新潮編集部

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