北方領土は永遠に返ってこない? 安倍元総理をだましたプーチンの嘘

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 プーチン氏の暴走は、ロシアとの領土問題を抱える日本にとっても他人事ではない。果たして北方領土は永遠に返ってこないのか――。

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 遡ること4年、シンガポールのマンダリン・オリエンタルでプーチンと対峙した安倍晋三首相(当時)は、いささか緊張した面持ちで記者団に語っていた。

「戦後70年以上残されてきた課題を次の世代に先送りすることなく、私とプーチン大統領の手で終止符を打つ」

 2016年の日ロ首脳会談(長門会談)以来、話を進めてきた北方領土の“2島返還論”に、日本政府が本格的に舵を切った瞬間だ。

 だが、敵は一枚も二枚も上手だった。

「まず平和条約締結交渉の発端となった長門会談で、プーチンは故意に2時間も遅刻。大国をアピールすると同時に、会談の主導権を握るという策を弄しました。そして、北方領土を欲しがる日本の足下を見て領土をちらつかせ、その引き換えに経済的な協力を巧みに引き出したのです」(外信部デスク)

手玉に取られた安倍元総理

 結果はご覧の通り。プーチンは果実だけ手にし、その後の領土返還交渉ではすげない態度をとり続けた。そして挙句に、

「昨年9月、プーチン大統領は一方的に北方領土を免税特区にする構想をぶち上げ、実効支配の度合いを強めてしまいました」(同)

 完全に手玉に取られた格好で、中西輝政・京都大学名誉教授(国際政治学)はこう嘆く。

「プーチンはウクライナにまで侵攻して、領土を拡張しようという独裁者です。どう考えても北方領土なんて、返す気はありませんでした」

 土台、話し合える相手ではなかったということか。

週刊新潮 2022年3月10日号掲載

特集「『プーチン』の狂気 7つの謎」より