冬ドラマ総括 「ゴシップ」はユルすぎでNo.1の「言う勿れ」は? “数字は嘘をつかない。割と”の「DCU」
低視聴率篇
林:今期、あらためて感じているのは「数字は嘘をつかない。割と」っていうことです。
アナ:数字……というのは視聴率のことですか?
林:そう。しかも、最近騒がれた個人視聴率なんかじゃなく、昔っからの世帯視聴率。この1~3クールは、ワタシが面白いなと思う度合いと世帯視聴率とがかなり連動してるのよ。
アナ:なるほど。それは林さんのドラマの見方が世間一般と近づいてきたということですかね。
林:「世間一般のドラマの見方が林さんと近づいてきた」とは言わないところにアナタのワタシ評を感じるとして、ま、ワタシと世間の皆様とのドラマの見方には因果関係はないはずで、でも相関関係はなんだかあって、たとえば
●「ムチャブリ! わたしが社長になるなんて」[日テレ系・水曜22時~]
●「ゴシップ #彼女が知りたい本当の〇〇」[フジ系・木曜22時~]
●「妻、小学生になる。」[TBS系・金曜22時~]
●「逃亡医F」(既出)
……なんてのは、そのいい例でしょう。
アナ:どれも視聴率は初回から2ケタに届かず、その後は6%台あたりに低迷していますが、林さんの評価も低いと。
「ムチャブリ」と「ゴシップ」
林:「ムチャブリ!」は高畑充希、「ゴシップ」は黒木華と、どっちも好みの役者が主演なのでそれなりに楽しみにしていて、幕が開いた後も高畑が見られる、黒木が見られるという点では楽しめてるんです、それなりに。しかしドラマとしてはどっちも見てられないのよ、つくりがチャチで。
アナ:確かに、安易だなと感じてしまうことはありますね、どちらを見ていても。
林:脚本が駄目という声が出ているけれどそれ以前、そもそもの設定がエエかげん。「ムチャブリ!」はベンチャー、「ゴシップ」はネットニュースサイトを舞台に据えてるんだけれど、どっちも仕事や職場が絵空事すぎるのよ。実際の現場にいるプロが見るとがっかりっていうレベルならともかく、実態を知らない視聴者にもバレバレなご都合主義が連発だからね。
アナ:それはよくわかります。
林:特に「ゴシップ」は、扱うのがまがりなりにもジャーナリズムやメディア、つまりは危険物だし素人衆も日ごろ接していてよくわかってるつもりの素材だから、フィクションですとかファンタジーですとかいった逃げは打ちにくいのに、つくりはユルユル。せめて目新しくて笑えるユルさでも盛り込んであるならともかく、「ゴシップ」にあるのは陳腐で腹の立つエエ加減さですよ。ユルすぎ。
アナ:ネットでもかなりツッコミが入っていますね。
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