冬ドラマ総括 「ゴシップ」はユルすぎでNo.1の「言う勿れ」は? “数字は嘘をつかない。割と”の「DCU」

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水は嘘をつかない

アナ:そうか、阿部さんは映画「テルマエ・ロマエ」シリーズですでに水モノのイメージが強いんですね。あちらはコメディでした。

林:さっき「ミステリと言う勿れ」はフジがNHKに倣ったようなドラマだと言ったけれど、「DCU」はTBSがフジに倣ったようなドラマだな。フジはNHKのカタさに堕し、TBSはフジのユルさに流れ……と見た方が正確かもしれないけれど。

アナ:「DCU」が不出来だとすると、林さんが最初におっしゃっいていた「数字は嘘をつかない」というのはどういう意味でしょう? 「DCU」は視聴率はいいのに……。

林:ゲストの話くらいよぉく聞きましょう。ワタシはこう言ったんです、「数字は嘘をつかない。割と」。

アナ:失礼しました、そうでした。では「DCU」は「割と」の方なんですね。

林:アナタ、もうひとつ忘れているよ、ほら、「DCU」のアベカンの決めゼリフ。

アナ:あっ、「水は嘘をつかない」!

林:それそれ。ウチじゃあれが飛び出すたびに、後ろに続けてます、「割と」。水やら海やらの特性を活かしたつもりらしい謎解きが毎ッ回、無理筋で、それこそミステリと言う勿れだからね。

アナ:本当に。

林:さぁ、ここまでくればあと一歩。もひとつ思い出そうよ、今度は榊マリコの決めゼリフ。

アナ:ああっ、「科学は嘘をつきません」! 「科捜研の女」の!

林:「DCU」の安さの由来はフジだけじゃないのよ。

【了】

林操(はやし・みさお)
コラムニスト。1999~2009年に「新潮45」で、2000年から「週刊新潮」で、テレビ評「見ずにすませるワイドショー」を連載。テレビの凋落や芸能界の実態についての認知度上昇により使命は果たしたとしてセミリタイア中。

デイリー新潮編集部

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