日本に再上陸する韓国「現代自動車」 前回と違って売れる要素はたくさんあるが

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 韓国の現代自動車は2001年にヒュンダイのブランドで日本市場に参入したものの、販売不振で2009年に撤退を余儀なくされた。ところが、2020年、ブランド名をヒョンデに変更。今年5月、今度は電気自動車と燃料電池車で日本再上陸を果たすという。

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 ヒュンダイが2001年に日本市場に参入した際、CMキャンペーンには小倉優子やペ・ヨンジュンが起用された。「ヒュンダイを知らないのは日本だけかもしれない」という強気のキャッチコピーが使われ、2002年のFIFAワールドカップの公式スポンサーにもなったが、販売には結び付かなかった。

「当時のヒュンダイの車は、耐久性も信頼性もありませんでした」

 と解説するのは、自動車評論家の国沢光宏氏。

「車の作り込みもデザインも今ひとつでした。いいところがなかったのです。壊れやすいし、アフターサービスも良くなかったので、売れなかったのもある意味当然でした」

吸音材が組み込まれたミシュラン

 リセールバリューも低かったという。

「例えば、日本車で300万円の新車ですと、3年経って売れば180万円くらいになります。ところが同じ価格のヒュンダイは、3年後には100万円以下でしたね」

 結局2009年12月、日本市場から撤退した。あれから12年、再び日本市場に参入するというのだ。今回投入されるのは、電気自動車のIONIQ5(アイオニックファイブ)と燃料電池車のNEXO(ネッソ)だ。

「IONIQ5は、日本の電気自動車より優れています。まず、デザインがいい。ヨーロッパのデザイナーを起用しています。ドイツのアウディに似た作りです」

 気になる価格は479万円~589万円。日本では、オンラインサービスでの販売となる。

「安いですね。IONIQ5は、2022年のドイツ・カー・オブ・ザ・イヤーのニューエネルギー部門で受賞しているんです。私も1度試乗しましたが、乗り心地が良く、速くて快適でした。ヨーロッパで開発されたので、これまでの韓国の車とはまるで違いますね」

 確かに、同じ電気自動車で1000万円を軽く超えるテスラのモデルSや1000万円前後のアウディe-tronと比較すると、かなりお手頃だ。

 タイヤはフランスのミシュラン製だという。

「音を抑えるために、タイヤの中に吸音材が組み込まれた高級なタイヤが使われています。だから走行中もすごく静かです」

 ヘッドライトの作りも凝っているという。

「LEDのヘッドライトで、奥行きがあって、丁寧に作り込まれており質感が高いですね」

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