みずほ銀行「新頭取」決定のウラ システム障害に続く新たな“爆弾”とは

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1兆1000億円規模の負債

 さらに、「(メガバンクからの)みずほ脱落」の引き金になるのではと危惧されている問題がある。大手自動車部品メーカー「マレリホールディングス」の経営危機だ。

「日産自動車系部品メーカーを前身とするマレリは、新型コロナウイルス感染拡大による自動車販売の低迷を受けて売り上げが急減し、昨年末時点で負債が資産を上回る債務超過に陥る恐れが出てきました。マレリの金融機関に対する債務は1兆1000億円規模とみられますが、主力取引銀行のみずほが3~4割程度を占めているんです」(前出メガバンク幹部)

 マレリは「事業再生ADR」という私的整理の手法で、借り入れの棒引きや返済期間の延長を目指しているとされ、3月初旬に向けて、みずほは他の銀行と金融支援の具体策を調整していくことになる。

 他のメガバンク幹部は、「マレリは大手の部品メーカーで、事業再生の仕方によっては雇用や取引先自動車メーカーの生産に大きな影響が出るはずです」と語る。主力取引銀行のみずほが責任を持って、対応を考えていかなければならないはずだが、「システム障害対応や経営体制の刷新に時間を取られ、マレリとの調整がうまく進んでいるようには全く見えない」(同)という。

 みずほ自体のマレリに対する融資額も巨額とみられるだけに、うまくまとめられなければ、みずほへのダメージは必至だろう。木原社長の新体制にとって、悩みのタネがまた一つ増えたと言えそうだ。

デイリー新潮編集部

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