皇籍復帰の最筆頭「賀陽家」とは? 有識者会議で示された「皇位継承順位系図」の中身とは

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 皇室のあり方を検討する「有識者会議」がまとめた報告書では、先々の皇族数確保の策として、戦後に皇籍離脱した旧皇族の男子を養子に迎える案が示された。本格的な議論はこれから始まるわけだが、現在、にわかに注目を集めている「名門」がある。その家とは……。

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 明治時代に創設され、戦後に「臣籍降下」しながらも、現在の当主は天皇陛下のご学友で、かつては紀宮さまの“お相手”にも擬せられていた――。そんな唯一無二の名門「賀陽(かや)家」が目下、関係者の間でがぜんクローズアップされている。

 有識者会議は昨年末、最終報告を政府に提出したばかりである。

「報告は“女性皇族が結婚後も皇室にとどまる”“旧皇族の男系男子を養子に迎える”の2案を軸にまとめられました。女性・女系天皇の是非など、本来の議題である皇位継承策については先送りし、ひとまず皇族数の確保を優先した格好です」(皇室ジャーナリスト)

 ここで言う「旧皇族」とは、1947年10月、GHQの意向を受けて皇籍離脱した11宮家51人を指す。以来75年、一般人として生活してきたその末裔には、2700年にわたって受け継がれてきた皇統の「Y染色体」を有する未婚の男性が少なからずいる。彼らを養子として迎え入れ、次代以降の皇族数を増やすとともに、皇位の安定的継承にも備えようというのが、案の趣旨である。

「先日のNHK世論調査では『旧皇族の男系男子を養子に迎える』案について賛成41%、反対37%と二分されました。旧皇族といっても、離脱された方々は現在の皇室とは男系で約600年の隔たりがある。子孫らは普通の暮らしを営み、文字通り世俗にまみれてきました。世間の実感としては“いきなり皇族を名乗られてもピンとこない”との思いもあるでしょう」(同)

GHQの意向で失われた仕組み

 それでも、皇室制度に詳しい国士舘大学の百地章特任教授は、

「室町時代以降、皇統は4家の『世襲親王家』によって支えられてきました。天皇家に男系の血筋が途絶えた時はその家から天皇を出すという“血のリレー”を続けてきたのです。4家のうち伏見宮の家系だけが続き、それが離脱した11宮家の方々へと連なりました。GHQの意向で失われたこの仕組みが今回、再び日の目を見たのは画期的なことだと思います」

 肝心の皇位継承権者は秋篠宮さまと悠仁さま、常陸宮さまのお三方しかおらず、

「将来、悠仁さまのご家庭に男子がお生まれになれば望ましいですが、万が一の際は、お支えする宮家がなくなってしまうおそれもある。すみやかに旧宮家の男系男子を皇室にお迎えし、その体制を整えていくことが重要だと思います」(同)

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