大ヒット商品「クレベリン」で消費者庁と大幸薬品が大バトル 分かれる大手ドラッグストアの対応

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《あなたと家族を、幅広いウイルス・菌から守る。》──これは大幸薬品の公式サイトに記載されている、「クレベリン」のキャッチコピーだ。

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 人気商品ということもあり、普段使いしている方も多いだろう。《空間や物に付着しているウイルスや菌も99.9%除去》と、公式サイトには書かれている。

 コロナ禍を追い風に、クレベリンは大ヒット商品となった。各社の報道から、記事の見出しを2例、ご紹介しよう。

◆大幸薬品クレベリンが爆発的な伸び ブランド拡充、先行者抜く(日経クロストレンド:20年3月24日)

◆最高益叩き出したクレベリン 正露丸超える大幸薬品の顔に(産経新聞:21年3月25日)

 ところが、消費者庁は1月20日、「大幸薬品株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について」との文書を発表した。一体、何があったのか。

 時事通信は同日、「大幸薬品に措置命令 『クレベリン』広告根拠なし 消費者庁」との記事を配信。YAHOO!ニュースでもトピックスに転載された。

《「空間のウイルスを除去」などと根拠のない表示で除菌剤「クレベリン」を販売したとして、消費者庁は20日、製造販売元の大幸薬品(大阪府)に対し、景品表示法違反(優良誤認)で再発防止などを求める措置命令を出した》

《消費者庁によると、対象は二酸化塩素を利用した市販のクレベリンのスプレー型やペン状の携帯型など4商品》

《同庁が表示の裏付け資料を求めたところ、密閉空間など生活環境とは異なる条件で実験したデータが提出され、「合理的根拠がない」と判断した》

赤字転落

 担当記者が言う。

「クレベリンは全部で6種類の商品があります。今回、措置命令が出たのは、置き型を除く4種類。具体的には『スティック ペンタイプ』、『スティック フックタイプ』、『スプレー』、『ミニスプレー』になります。かなりの人気商品でしたから、SNSなどを見ると、消費者のショックも大きいようです。また、大幸薬品の株価が下落するという事態にまで発展しています」

 株価については、日本経済新聞が配信した記事の見出しをご紹介しておこう。

◆<東証>大幸薬品がストップ安売り気配 消費者庁、クレベリンに措置命令(日経QUICKニュース:2022年1月21日10時29分)

「クレベリンの人気はコロナ禍と密接な関係がありました。そのためワクチン接種などが進むと、大幸薬品の業績は低迷していったのです。昨年9月には『12月期の連結最終損益が28億円の赤字になる可能性』と発表し、経済メディアが大きく報じました。クレベリンの需要増を見込んで量産体制に入ったのですが、コロナ禍の沈静化で売上が伸び悩み、工場の稼働を中止する事態になってしまったのです」(同・記者)

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