なぜ雅子皇后と紀子妃への評価が10年で逆転したのか “皇室特権”への批判と公私教育の差異

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進学先は…

 更には、

「天皇陛下は、皇太子時代、どれだけバッシングされても、雅子さまを支え続け、守ってこられたように映ります」

 と、武蔵大学の千田有紀教授(社会学)が指摘する。

「“ご家庭ばかり”と批判されることもありましたが、妻子をひたすら守られるその姿勢を“理想的な父親像”と感じてきた人もいるはずです。今の天皇家は、国民の多くにとってとても仲睦まじい“理想の家族”に見えている。戦後の象徴天皇制では、国民は皇室に模範的な家族、家族の規範を見たいという思いを抱いてきた。そして、そのお姿を拝見することで“国民統合の象徴”という皇室の在り方を実感するのではないでしょうか。その意味では、現天皇家はお役目をきちんと果たされているのだと思います」

 これに比べた時の、秋篠宮家のお姿は先に述べた通りである。

 千田教授は、

「ここに来て“皇室特権”に対し、人々が過敏になってきたことも大きいのでは」

 と続ける。

「秋篠宮家では、33億円をかけて宮廷を改修中です。加えて結局は辞退されましたが、1億5千万円の結婚一時金など、皇室がさまざまな特権を持っていることがクローズアップされ、これに批判的な声も上がりました。また、悠仁さまはお茶の水女子大附属小という、非常に狭き門に入学された。これも、受験に苦労している親御さんからみれば“ずるい”と感じられたりしても不思議ではありません」

筑波大附属高校に進学すれば……

 対して天皇家では、先に述べた愛子さまのティアラに代表されるように、目立った“贅沢”を控えてきた。

「雅子さまご自身は素晴らしいキャリアをお持ちですが、娘の愛子さまは幼稚園から学習院という、皇族のオーソドックスな道を歩まれている。しかも大学での専攻は日本文学という、天皇家の子女らしい選択です。特権とは無縁に見え、こちらも好感度が高く見えているのではないでしょうか」

 いかがだろうか。

 むろんシーソーのごとくまたお二人の立場が入れ替わることは必ずしも否定できないが、少なくとも現況を見るに、「公と私」、はたまた「家庭の和」に対する立ち位置といったところに、お二人の明暗を分けたポイントがあるのは間違いなさそうである。

 とまれ、成年を迎えて公務に携わる機会が増え、ますます注目を浴びそうな愛子さまに対し、現在、中学3年生の悠仁さまは次の4月に高校進学が控える身。しかし、そこにも一抹の懸念が。

「系列のお茶の水附属高校は、女子のみの受け入れとなるため入学できない。そのため進学先として有力視されているのが筑波大附属高校です。こちらとお茶の水小の間には、書類審査で通れば合格できる提携校進学制度が5年前に結ばれた。両校はご近所同士ですし、ここならご両親も安心でしょう。しかし、筑附は全国でも最難関に当たる名門校。合格すればまた“特権だ”と批判を浴びる可能性は大ですが」(さる皇室ライター)

 紀子妃殿下の悩みは尽きそうにない……。

 注目のお二人にとって来年は、果たしてどのような年となるのだろうか。

週刊新潮 2021年12月23日号掲載

特集「『雅子皇后』が『紀子妃』を“逆転人生”の裏側」より

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