「増税は理解不能」 経済学者「ステファニー・ケルトン教授」が唱道する「MMT」は日本を救うか

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新たに通貨を発行

 日本の一部で旋風を巻き起こしている米国発の経済理論がある。MMT(現代貨幣理論)なるものだ。MMTを信奉するれいわ新選組の山本太郎代表が「消費税ゼロ」を公約に掲げて選挙に挑んだことで世間に知られるようになった。ある意味、左巻きの人たちから賛同を得ているせいか、胡散臭くも見られるようになったMMTとは、いかなる理論なのか。(以下、記事内容は2019年8月当時のものです)

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 平たく言うと、「自国通貨を発行する国は、債務不履行に陥ることはあり得ない。だから、財政再建のために歳出カットしたり、増税をしたりせず、新たに通貨を発行すればいい」というもの。一見、ご都合主義に映らなくもないが、MMTに従えば消費増税は愚の骨頂ということになる。

 批判を口にする者も少なくない。例えば、麻生太郎財務相(当時)は「理論というべきかどうかもわからない、一つの理屈」と突き放し、日銀の黒田東彦総裁も「極端な主張で米国の学会などでも広く受け入れられていない。経済に大ダメージを与える」と咎(とが)め立てた。

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