コロナ感染者減少の本当の理由は? 増減は4カ月周期…次回のピークは1月半ばか

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増減は4カ月周期

「一般にウイルスの増減は、人間側の対策に影響される部分もありますが、それ以前に、ウイルスの習性に原因があるのだと思います」

 と話すのは、東京大学名誉教授で食の安全・安心財団理事長の唐木英明氏。もちろん、新型コロナも例に漏れないという。

「第1波のころは、専門家は“国民の7割が感染して集団免疫を得るまで増え続ける”と予想していました。でも現実には、第1波はごく少数が感染しただけで収束しました。“感染対策が功を奏した”と専門家は言いますが、第2波や第3波も、増え続けることはなかった。そして、対策が緩んでいた先の第5波もきちんと収束しました。こうも一定ペースで増減が続く以上、ウイルスの側に原因があると考えるのが、普通ではないでしょうか」

 唐木氏の分析によれば、増減は4カ月周期で訪れているという。

「世界的な統計を見ても、4カ月周期は、新型コロナが持つ一定の法則と見ることができそうです。たとえば、季節性インフルエンザについても似たような傾向が見出せます。コロナ以前の社会では、インフルエンザのことを、それほど強く意識して行動してはいなかったのに、年末に突然現れ、春になると突然消えてしまった。やはり一定の習性があるのだと思います」

世界的には第6波が始まっている

 もっとも、先にも例示したが、現在、感染者が急増している国は案外多い。ワクチンの2回接種率が約68%のドイツでは、感染者数が11月17日、過去最高の6万8千人に達し、イギリスも4万人を超える日が少なくない。こうした国にも、同様に4カ月周期が当てはまるのか。

「国別にみると、波が一つしかない国もあります。個人差や地域差、人種差などもあり、すべての国で周期が一致するわけではありません。衛生観念やワクチンの普及率など、さまざまな要因が関わってくるでしょう。しかし、一番重要で信頼できる傾向を示すのは平均値です。各国の状況をならしてみると、4カ月周期が読みとれる。各国に共通の政策や対策があるわけではない以上、ウイルス自身の性質を示しているのではないか、ということです」

 波が来る時期も国によって異なるが、平均すれば概ね4カ月周期になるというのである。

「これまでも、緊急事態宣言や五輪といった人為にまったく関知しないかのように、一定の周期で波が訪れました。世界レベルでは第6波が始まっており、12月中にも、第6波は来ると私は考えています」

 と唐木氏。ただし、こう付け加えるのを忘れない。

「そもそも日本は、欧米とくらべて感染者が非常に少なく、ワクチン接種もハイペースで進んでいる。第5波よりかなり小さいものになるだろうと考えます」

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