「細木数子さん」が制作会社に突き付けた無理難題 国税まで動いてテレビも呆然自失

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「放送基準」抵触の扱い

 この件は局側にも報告され、やがてテレビ界全体に知れ渡る。すると激震が走った。

「そこまで要求する人なのか」

 細木さんは常に強気で、ゲストの人選や演出に口を出すことは知られていたが、ギャラ以外の利益供与まで求めてくるとは思ってもみなかったのだ。テレビ界の細木さん熱は急速に冷めていく。

 それまではレギュラー番組以外にも引っ張りだこだった。たとえばテレビ朝日が2006年から6回にわたって放送した「細木数子の緊急大予言シリーズ」である。タイトルが「占い」ではなく、「予言」と銘打たれているところが注目点だ。細木さんは予言者扱いまで受けていたのである。

 これら細木さんの占いや予言者扱いはテレビ局が自分たちで決めた「日本民間放送連盟 放送基準」に触れていた疑いが強い。第8章「表現上の配慮」の54項にこうあるからだ。

「占い、運勢判断およびこれに類するものは、断定したり、無理に信じさせたりするような取り扱いはしない」

 細木さんはどうだったかというと、断定調で「あんた死ぬわよ」「地獄に落ちる」と繰り返していた。信じようとしない人を激しくなじったのはご記憶の通りだ。

 細木さんはこうも言っていた。

「私の占いに1つもはずれはない。ただし悪い予言は、良い予言に変えられる」

 世帯視聴率1%は人数に換算すると約110万人。ここまで断言されたら、相当数の人が細木さんの占いや予言を信じたのではないか。

 一般論として、占いをする人たちはテレビに出たがる。自分の占いが権威付けられる上、宣伝になるからだ。それによって、信じてくれる人が増え、出版物がよく売れるようになり、高い印税が得られる。だからテレビと蜜月関係になった占いの人が成功を得られる。細木さんが典型例にほかならない。

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