読売調査、眞子さま結婚、良かったと思う53%は本当か 5つの異論で二者択一の限界

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調査自体は有益

【3】眞子さまに問題があると考えている人の中には、「アメリカでもどこでも行き、もう二度と帰国しないでほしい」──こんな意見を持っているかもしれない。ならば世論調査に「結婚は賛成」と答える可能性がある。

「世論調査や実態調査は当てにならないと思っている人もいますが、そんなことはありません。私たちが全く知らなかった社会の動きがデータで可視化されたり、ぼんやりとしたイメージに数字の裏付けを与えてくれたりと、調査が社会にとって有益であるケースは枚挙に暇がありません」(同・井上氏)

 井上氏は最近の代表例を2つ挙げる。1つは厚生労働省と文部科学省が4月に結果を発表した、ヤングケアラーに関する実態調査だ。

 もう1つはベネッセホールディングスが3月に発表した、「小学生の読書に関する実態調査」だ。

「前者は、東京都内の高級住宅街を有するような区でも、両親や祖父母、きょうだいの世話や介護などをしている子供が少なくないことをデータで可視化しました。後者は、『本を読むと思考力が伸びる』とぼんやり思っていた“常識”を、進研ゼミにおけるテストの偏差値を調べた結果、本を読む小学生のほうが思考力は高い傾向が出たと、数学的なデータで証明しました」

結婚反対が増える設問

 内閣や政党の支持率調査は、「信用できない」と批判的な意見も少なくない。だが、井上氏の見解は異なる。

「その時々によっては違和感を持つ数字になるかもしれませんが、数年のスパンで見れば、有権者の考えを数字で示すことに成功しています。有権者が投票の際に参考にしたとしても、全く問題のない客観性と正確性があると思います」

 ただし、眞子さまと小室さんの結婚について「賛成ですか? 反対ですか?」と訊く世論調査の設問には問題があるという。

「世論調査で“誘導質問”が疑問視される場合があります。極端な例を挙げると、『安倍内閣は桜を見る会の問題を巡って、様々な批判が出ています。安倍内閣を支持しますか?』という設問だと、『支持しない』が増えるでしょう」(同・井上氏)

 眞子さまと小室さんの結婚について調査する場合、「説明責任」という単語を使えば、反対意見が際立って増える可能性があるという。

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