愛犬「ソウちゃん」死して4カ月…… 小池知事が「二度と犬を飼うことができない」理由

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周辺で流れた「噂」の真偽は…

 小池知事は、ソウちゃんの後に、新しい犬を飼っていない。その理由について、都議会周辺では「法的に単身高齢者が犬を飼うのができないからではないか」ということが噂されていた。小池知事は、今年の7月15日で69歳になった。

 実際に、東京都の動物愛護センターで、犬猫を譲り受けることができる条件は、20歳以上60歳以下となっている。さらには、2019年の動物愛護法の改正によって、動物虐待について、厳罰化がなされている。

 知事の自宅のある練馬区保健所に問い合わせたところ、「飼い主が飼い犬の面倒をみないことは虐待の一種で、飼い主が老衰して面倒見られなくなることがただちに虐待とは言えないが、大変な問題です。保健所に持ち込まれて引き取り手がなかった場合、殺処分の可能性は否定できません」「今は自身の健康状態が元気であっても、10年経ったときのことをきちんと考えて、犬を飼ってほしい」という。

 殺処分の可能性があるというのは、穏やかではない。先述の東京都動物愛護センターに殺処分の実態を聞くと、

「東京都は『ペット殺処分ゼロを目指す』という方針のもと、なるべく殺処分にならないように働きかけを行っている。飼い主が高齢化して犬を引き取った場合、若くて噛み癖がない元気な犬は、すぐに引き受け手が見つかります。また具体的な団体名は明示できませんが、高齢犬の引き取りボランティアも存在しており、現状では、よほどの重い病気でない限り、殺処分に至るケースは極めて稀です」という。

 法的に小池知事が犬を飼えないというのは多少の誤解が混じった話のようであり、民間のペットショップでも単身高齢者に犬を販売している。ちなみに「ペット殺処分ゼロを目指す」は、2016年の都知事選で、小池知事が掲げた選挙公約である。

それでも飼わないのは

 つまり、小池知事は、自身が元気のなくなったときの準備さえしていれば、犬をもう一回飼うことはできるようだ。それでも飼わないのはなぜか。同居するパートナーがいなくなった知事を精神的に支えるペットは、やはり必要なのではないか。荒木代表が、小池知事にもう犬を飼う意思がないのかを尋ねると、

「私は、ソウちゃん以外に、もう二度と犬を飼うことはない。そんな気がする」

 と語ったという。ゆえに愛犬を愛しすぎたゆえに、もう別の犬を飼うことなどできない。そんな悲しい胸の内が明らかにされたのだった。

取材・文 小倉健一 ITOMOS研究所所長

デイリー新潮取材班編集

2021年10月9日掲載

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