朝の「情報番組」戦争 視聴率トップ「羽鳥モーニングショー」の知られたくない弱点

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F1層視聴率が低い「モーニングショー」

 もっとも、その後も「めざまし8」が「モーニングショー」を攻める構図は変わらない。世帯と個人全体でトップを取ることもある。

●9月13日(月)関西地区
「スッキリ」(読売テレビ)世帯5.7%、個人全体3.0%、F1層3.1
「モーニングショー」(朝日放送)世帯8.1%、個人全体4.3%、F1層0.9%
「ラヴィット!」(毎日放送)世帯3.5%、個人全体1.6%、F1層1.1%
「めざまし8」(関西テレビ)世帯9.2%、個人全体4.8%、F1層2.7%

 在京キー局の人間は「関西の話だから無関係」とは思わない。2006年に関西ローカルで始まった午後帯の情報番組「ミヤネ屋」は2007年から関東でも放送されるようになると、短期間で人気番組になった。「めざまし8」は関東では3位だが、その動きはライバルから注目されている。

 一方、関西と関東で同じなのは「モーニングショー」のF1層視聴率の低さ。週に5日、約2時間ずつ放映している番組だから、これは痛い。

 「モーニングショー」はファン層が50歳以上に集中しているのだ。同番組の性別、年齢別の個人視聴率を見てみよう。

●9月13日(月)関東地区
*男性20~34歳 0.4%
*男性35~49歳 2.0%
*男性50歳以上 9.7%
*女性20~34歳 0.2%
*女性35~49歳 2.0%
*女性50歳以上 9.8%

 若い視聴者が観ている番組のほうが優れているというわけではない。とはいえ、現在の「モーニングショー」は視聴者層が偏っていると言わざるを得ず、円滑な番組運営を考えると、若い視聴者も早急に取り込みたいところだろう。

 なぜ、「モーニングショー」は若い視聴者に人気薄なのかというと、世間の風潮と同じく、若い人はミドル層・シニア層ほどは新型コロナ禍に関心がないからではないか。

 芸能スキャンダル、エンタメ情報をほとんどやらないことも理由に違いない。

「ノウハウはあるから、やろうと思ったらすぐ出来る。半面、本当にやったら、硬派色を好むこれまでの視聴者の一部は逃げてしまうだろう。だから安易には舵を切れない」(テレビ朝日報道局情報番組センタースタッフ)

 意外や方向性について最も頭を痛めているのは世帯も個人全体も関東ではトップの「モーニングショー」なのかも知れない。

 午前帯の情報番組戦争には終わりがない。果てしなく続く。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。1990年、スポーツニッポン新聞社入社。芸能面などを取材・執筆(放送担当)。2010年退社。週刊誌契約記者を経て、2016年、毎日新聞出版社入社。「サンデー毎日」記者、編集次長を歴任し、2019年4月に退社し独立。

デイリー新潮取材班編集

2021年9月21日掲載

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