【自民党総裁選】明日告示 河野太郎陣営は史上初の「Zoom出陣式」でカツカレーの出番なし

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 菅首相の電撃辞任から2週間。次の首相を決める自民党総裁選が、いよいよ17日に告示となる。告示日に各陣営は、支援する国会議員を集めて大々的に出陣式を行うのが恒例だが、今回、河野太郎・行政改革兼ワクチン接種推進担当大臣(58)の陣営では、前代未聞の「Zoom出陣式」を行うという。河野氏一歩リードが伝えられているが、せめぎ合いは苛烈を極めている。

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河野流の合理主義

「総裁選の出陣式をオンラインでやるなんて、史上初めてのことでしょう」

 こう語るのは、河野氏を支持するある自民党議員である。彼が手にする河野陣営から送られてきた出陣式の案内状には、QRコードが印字され、「完全オンライン開催(Zoom)」とある。

 政治家にとって出陣式とは、陣営の士気を高める重要な場だ。総裁選ともなれば都内ホテルの広間を借りて盛大に執り行うのが恒例で、2018年に安倍晋三前首相が連続3回当選を決めた総裁選では、ゲン担ぎのため参加者にカツカレーが振る舞われた。今回のオンライン出陣式について、ある政治部記者は「河野流」を感じたという。

「あの人はとことん合理主義者ですからね。悪しき前例はどんどん変えていこうという考えの持ち主。例えば、菅政権発足時、行政改革担当大臣に就任した際も、順番に首相官邸で新閣僚会見を行なう慣習について、『こんなものさっさとやめたらいい』とぶち上げた」

急浮上した野田聖子幹事長代行だが……

 新閣僚が発表されるのは大抵は夜。首相官邸に呼ばれた新閣僚が順番に会見をやっていくと、最後のほうは深夜にまでさしかかる。河野氏が苦言を呈した時も深夜1時過ぎだった。

「あの時、河野さんは『この記者会見も各省に大臣が散ってやっていれば、もう今頃みんな終わって寝ていますよ』と言った。出陣式にしても、コロナ禍なのにわざわざ集まる必要なんてないだろうということなのでしょう。彼はワクチン接種推進担当大臣ですから、密な場を作れば批判も受けかねない。もちろん、改革者というイメージ作りをしたい意図もあるとは思いますよ」(同・記者)

 告示日に向けて関心を集めているのは、4番目の候補者として急浮上してきた野田聖子幹事長代行(61)の動きだ。石破茂元幹事長の出馬断念を受け、20人の推薦人を確保できる見通しがたったと伝えられているが、永田町では疑問視する向きもあるという。

「あの人には“前科”がありますからね。2015年の総裁選に立候補すると意思表明した時も、あと少しで20人を確保できるとギリギリまで騒ぎ、告示当日の朝に出馬断念を表明した。結局、何人の支持を取り付けているなんて、野田さんにしかわからない話なんです。ちゃんと20人集まるなら名前を貸すという態度の人だっている。そういう議員らに対して、“あなたが支持してくれれば到達する”みたいな曖昧な口約束を仕掛けてギリギリの工作を続けているんですよ」(同・記者)

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