「BTS」“ファンサイト禁止令”中国の文化統制で「乃木坂46」「ジャニーズ」は大丈夫か?

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ファンクラブビジネスに暗雲

 倉木麻衣・317万人、乃木坂46・310万人、木村拓哉・256万人、山下智久・251万人。これらは中国で人気がある日本人タレントたちの微博でのフォロワー数である(9月12日現在)。

「映画『君の名は。』が大流行した4年前、『RADWIMPS』が上海でコンサートを開き、収容8000人の会場があっという間に埋まりました。日本の流行は中国にもリアルタイムで伝播します。同じムーブメントが起きても、約14億人が住む中国には、日本の10倍以上のポテンシャルがあるわけです」(中国事情に詳しい大手芸能事務所関係者)

 だが今はコロナ禍でコンサートを開けない。中国でも人気のタレントを抱える芸能事務所が狙っていたビジネスこそが、ファンクラブ運営だった。

「プラットフォームさえ築いてしまえば、年会費に加え、物販、映像配信、アプリ、チケット販売など、あらゆる芸能活動をマネタイズできる。一定の会員数さえ集めてしまえば、黙っていてもカネがザクザク入ってくるわけです。昨年末、ソニーミュージックの乃木坂46が上海の企業や日本のIT企業と組んで、日本人タレント第1号となるファンクラブを開設したことを受け、他の事務所も追随する動きを活発化していました」(同)

推し活は日本発祥

 だが、今回の騒動で一気に機運がしぼんでしまったという。

「そもそも中国でファンクラブを開設しようとしても、サーバーや決済方法などに当局から細かい指摘が入り、非常に厄介。さらにこんなリスクまであるとなると見合わない」(同前)

 今のところ、日本の芸能界への波及はないというが、前出のジャーナリストはこう指摘する。

「男らしくない服装をした男性芸能人も規制対象になったと伝えられています。韓流アイドルを指しているとされ、ファンサイトのみならず韓国人タレント全般の芸能活動を排除していく可能性もある。もともとは推し活は日本から生まれた文化。尖閣諸島問題などが再燃すれば、いつ日本に飛び火したっておかしくない状況にあります」

デイリー新潮取材班

2021年9月13日掲載

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