朝日新聞が映画製作に傾倒 ジャンルや公開規模に一貫性がない、との声も

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 あまり知られていないが、ここ数年、朝日新聞は映画製作にも熱心だ。全国で公開中の「犬部!」もそのひとつ。捨て犬や野良猫の保護活動に従事する獣医学生の姿を描いたノンフィクションが原作で、朝日は共同製作幹事を務めている。

「製作幹事は出資額が最も多い企業や団体が担うもので、作品の方向性を左右するほどの発言権を持ちます。『犬部!』は犬猫などの殺処分問題にも向き合う作品に仕上がっていますから、同紙の意向が色濃く反映されているのは間違いない」

 とは大手配給会社の幹部。

「実は、朝日は今年だけで6作品の製作幹事になっています。ヒューマニズム系が好みのようですが、作品選定はジャンルがバラバラで、製作や公開規模にも一貫性がありません。失礼ながら、素人が相場に手を出しているように見えます」

 先の「犬部!」の他には、北陸を舞台に人間模様を描く「川っぺりムコリッタ」、シングルマザーと息子の成長がメインの「茜色に焼かれる」、小野田寛郎少尉の半生を描く「ONODA 一万夜を越えて」、ともにオール韓国ロケの人間ドラマ「アジアの天使」とホラー作品の「聖地X」というラインナップ。やはり「韓国」以外で共通項は見受けられない。

「映画製作は出資額に応じた配当に加えて、宣伝会社が朝日新聞に出稿する広告による収入も得られます。長引く部数の低迷を受けて、新たな収入源の確保が課題の中、手堅くリターンが見込める事業と踏んでいるんですよ」(朝日の経営幹部)

 当の朝日新聞広報部は、

「弊社は映画文化の発展に寄与すべく映画事業に携わっております。個別の事業方針はお答えしかねます」

週刊新潮 2021年9月2日号掲載

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