巨人の中田翔獲得のウラ話 “可愛い後輩”を思う原監督の熱意で

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“捨てる神あれば拾う神あり”。そんな美談では語れないのが、今回の無償トレードだ。同僚への暴力行為で無期限出場停止処分を受けた中田翔(32)が日ハムから巨人に電撃移籍。その不可思議な裏側を覗くと――。

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 8月22日の試合で移籍後初のホームランを放った悪童・中田。試合前に長嶋茂雄・終身名誉監督と面会し激励を受けたこともあって、“禊(みそぎ)は済んだ”とばかりに翌日のスポーツ各紙は1面で報じる大ハシャギぶり。

 でも、そもそも中田の処分はなぜ解かれたのか?

「本来なら、中田の行為は日本野球機構(NPB)が裁定して球界統一の処分を下すべきでした。しかし、今回はあくまで日ハムが科した処分であって、ルール上は移籍先の巨人が倣う必要はありません」(スポーツ紙デスク)

 つまり、日本のプロ野球界には“ヨソに移れば処分がチャラになる”という抜け道が存在するわけだ。

 とはいえ、暴行は野球協約に抵触するもの。おまけに、賭博開帳図利や詐欺などの疑いで計3回の逮捕歴があり、違法収益の一部が暴力団に流れた可能性も指摘される「反社」との交際疑惑まで燻(くすぶ)るのは、本誌(「週刊新潮」)既報の通り。

 当の巨人軍もHP上で、反社も含めた「暴力団排除宣言」を堂々と掲載しているのに、何があったのか。

「移籍の背景には栗山英樹・日ハム監督と原辰徳・巨人監督のホットラインがあります。もともと栗山監督は原監督のファンで、東海大野球部の臨時コーチをやっていた縁で東海大ファミリーに加わるなど、原家とも繋がりは深い。同問題で栗山監督がメディアの取材に初めて応じた8月16日の時点で、すでに原監督に移籍を相談していたと聞きます」(球界関係者)

 中田のような危なっかしい輩は巨人オーナーの山口寿一氏が最も嫌うタイプの筈(はず)だが、最後は“可愛い栗山”を思う原監督の熱意に押されたとも。また「客寄せパンダ」として貴重な戦力になるとの計算も巨人側に働いたとされる。

 長嶋監督の参謀役だった巨人OBの河田弘道氏は呆れて言う。

「暴力事件を起こした協約違反の選手を球団の判断で勝手に無償譲渡するなど、ファンを愚弄する行為というほかない。中田の獲得で若手の育成や出場機会を奪う過ちを犯した巨人も同罪です」

“紳士たれ”のモットーも風前の灯だ。

週刊新潮 2021年9月2日号掲載

ワイド特集「家族の肖像」より

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