岡田健史、独立を諦め事務所と和解した全真相 密かになくなっていた朝ドラ出演話

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 NHK大河ドラマ「青天を衝け」で渋沢平九郎役を演じた岡田健史(22)が、所属芸能プロダクション・スウィートパワー社(本社・東京都港区)からの独立を求め、東京地裁に仮処分を申し立てていたが、8月31日に和解した。岡田はこれまで通り同社に所属する。

 裁判中の一時、岡田は同社から与えられた現在の芸名を返上し、本名(水上恒司)で活動すると主張したが、これも白紙になった。岡田健史のまま今後もドラマなどに出演する。

 大山鳴動して鼠一匹どころか、終わってみると、仮処分申請前と何も変わらない。岡田はファンにこう声明した。同社への感謝の意も表した。

「人間って面白い。
 どこまでも直球な中学生から始まり、ある時は熱血刑事、ある時は一国の王様、ある時は幕末の武士。
 これまでかけがえのない役と作品と出会って、人間って愚かで、愛らしくて、悲しくて、馬鹿で、とにかく面白い。人間のことをもっと知りたくなった。
 ただの青年だった私に奇跡が起きたのは、紛れもなくスウィートパワーのおかげです。私を見出し、私に学びの場を与えてくださったこと、一生忘れません。
 約1年半でスウィートパワーを退所しますが、残りの1年半は勿論のこと、これからの先の長い人生を私らしく泥臭く、青臭く生きていきます。グラウンドに生える雑草のように。」

 仮処分の法廷は4月に始まった。岡田が出廷することも何度かあった。

 当初の争点は「岡田が労働者であるかどうか」。岡田が労働者であると裁判所が認めたら、労働契約(有期労働契約)の上限は3年だから、それを過ぎると労働基準法の定めにより、自分の意思で契約が解除できる。岡田が同社と契約したのは2018年4月1日。今年3月31日に丸3年が過ぎてきていた。

 もっとも、地裁は岡田を労働者と認めなかった。岡田と同社が結んでいたのはアーチスト契約。労働基準法は適用されない。

 アーチスト契約は権利や義務、報酬などが細かく明記されており、労働契約とは性質が違う。芸能プロとタレントの契約はほぼ100%そうだ。岡田は同社入りの際に5年間のアーチスト契約を結んでおり、本人が声明内で指摘した通りあと約1年半残っている。

軋轢の原因は?

 岡田とスウィートパワー社の軋轢の原点は何だったのか。

 そもそもスウィートパワー社は広瀬すず(23)らが所属する芸能プロ・フォスターの幹部が独立し、1996年に設立された。内山理名(39)や黒木メイサ(33)、桐谷美玲(31)、桜庭ななみ(28)ら女優ばかりの芸能プロとして知られた。経営陣もマネージャーも全て女性だった。

 その後、男性の俳優を担う部署・スパイスパワーが誕生。2018年4月に契約し、その牽引役となったのが岡田だ。半年後の同10月には有村架純(28)が主人公の教師に扮したTBS「中学聖日記」に出演し、準主役の中学生を演じた。

 この時の待遇に岡田が強い不満を持ったのではないかと伝えられた。当時は無給で、iPhoneを支給されただけ。半面、撮影終了後に岡田は米国ロサンゼルスに社費で4カ月留学している。仮処分申請直前は手取り月給15万円、ボーナスは150万円だったという。

 岡田に近い民放ドラマ関係者によると、彼が金のことを口にしたことはないという。

「ギャラは徐々にアップするものだと分かっていたはず」(同・民放ドラマ関係者)

 では、どうして裁判まで起こし、一時は同社を離れたかったのか。

「やりたくない仕事もやらされているという思いが強かったのは間違いない。彼は若いのにプロ意識が強く、仕事を自分で選びたがるから。また独立ばやりの風潮も背景にはあったでしょうね」(前出・ほかの芸能プロ関係者)

 今年3月には永山瑛太(38)が江口洋介(53)らの所属するパパドゥから独立した。ただし瑛太は契約期間が満了しての独立。ほかの芸能人もそう。契約中の独立は法律上、まず認められない。だから岡田は仮処分に賭けたのだろう。

「裁判所が和解させたのは正しいと思う。長引いたり、本訴(裁判)になったりしたって、誰も得しない。岡田君がのこり約1年半の契約を全うする気になったのだから、スウィートパワー側も岡田君の話にもっと耳を傾けるようになるでしょう」(同・ほかの芸能プロ関係者)

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