「秘湯ロマン」秦瑞穂が語る“過酷すぎる”撮影の裏側 数時間かかる入浴シーン、冬場の露天風呂は地獄

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 番組が生まれては消えていくテレビ業界。そんな中で息の長い人気を誇るのが「秘湯ロマン」(テレビ朝日系)だ。平成10年の放送開始以来、「旅人」の女性たちが全国の温泉を巡り、セクシーな入浴シーンとともにその魅力を伝えてきた。

 5人のレギュラー陣の中で、とくに人気なのが秦瑞穂(31)。女優やグラビアアイドルとして活躍する本人が番組の舞台裏を語った。

「旅人になって今年で7年目。訪れた温泉地は60カ所以上になりますよ」

 いわゆる“低予算番組”だそうで、それにまつわる苦労には事欠かないという。

「ロケに出るのはディレクター、カメラマンとその助手に音声さん、それに私。いつも4~5人なので、重い撮影機材を運ぶのは大変です。5年前に行った富山県の黒薙温泉は“秘境の中の秘境”で、最寄り駅からトロッコ電車に乗り、降りた後は20分の山歩き。私も自分のスーツケースだけでなく、カメラの三脚を担いで歩きましたが、到着した時は撮影前なのに全員が疲れ切っていました」

 ロケというより、もはや行軍。撮影日の朝は早く、いつも5時~6時の出発だ。

「新幹線や鉄道の利用はほとんどなく、全員がロケバスで向かいます。その方が機材の運搬に便利ですし、何かと融通が利く。何より交通費が安く済むみたい」

 運転手付きのマイクロバスが集合場所まで送迎してくれるものの、

「毎回7~8時間、場所によっては半日近く乗り続けます。降りた時はいつもお尻や腰が痛かったり……」

 タレントなのにメイクやスタイリストの同行もない。

「化粧や髪のセット、衣装の用意もすべて自分でこなしています。ロケは4泊5日が基本で、同じ地域の4カ所ほどを回ります。そのたびに衣装を替える必要があるので、出かける時はいつもA、B、C、Dというように最低4種類の着替えを持ち歩いています」

 訪問先は瀟洒なホテルから、山奥の老舗旅館に至るまでさまざま。それだけに衣装はロケ先の雰囲気に合わせて、ワンピースやスカート、ジーンズ、靴もパンプスのほか、スニーカーも必要だ。

 見せ場の風呂場での撮影は、一般客の利用がない浴場の清掃やメンテナンスの時間を利用している。

「時間が限られているので、入浴シーンは2~3時間、短い時でも1時間は湯船に浸かりっきり。当然、身体が温まって顔が上気したり、汗もかきます。ところが放送するのは、私が宿に到着してから初めてお湯に浸かるまでの姿。最初から顔に汗が浮かんでいたら不自然なので、撮影中は汗が出ないように意識を集中しています。“あ~、気持ちいい”みたいに、リラックスしている余裕はありません」

 うっかりのぼせたり、湯あたりでもしそうだが、

「ディレクターから“カット”の声がかかったり、カメラのバッテリー交換などのタイミングで、水のシャワーを浴びて身体を冷やすので大丈夫。でも、雪が降り積もる冬場の露天風呂ではこれが本当に辛くって」

 いかな温泉好きでもここまではすまいが、リアルを追求する番組のこだわりは小道具にも。

「入浴時に使うのは、スタッフが用意したお決まりのタオル。身体に巻き付けた時にお尻が隠れながら、太ももが見え過ぎず、かつ隠し過ぎない絶妙のサイズだそうです。ちなみにカメラマンたちは、いつも短パンの水着にTシャツかな」

週刊新潮 2021年8月26日号掲載

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