大塚久美子氏が“名経営者”として講演会 ネット上では「ギャグではないか」と話題

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ユーモアを解する

「社長時代も経営悪化は、メディアの報じ方のせいにしたり、景気のせい、コロナのせい、と自らを顧みることはありませんでした。反省のない強弁を繰り返すだけでは、受講生たちにどんな価値があるのかは疑問です」

 それでも彼女を選んだのはなぜなのか。

「もともと日経グループは彼女のような人を好む傾向があるのかもしれません。実は彼女が社長に復帰した翌年に日経新聞は、日経産業新聞トップフォーラムに彼女を招いたことがありますからね。この時のテーマは『事業承継を問う~円滑なバトンタッチと成長へ』でした。大塚家具はとても“円滑なバトンタッチ”と呼べるような事業継承ではありませんでしたが、それでもまだ当時は、経営者として語ることのできる経営状況ではあったと思います。しかし、今や5年間の彼女の経営手腕の結論は出てしまっています」

 彼女が離れた大塚家具は、6月9日に4月期決算を発表した。売上こそ落ちているものの、営業利益、経常利益、純利益ともに、業績予想よりも赤字幅を減らしている。

「久美子社長時代は、黒字の予想を発表しながら、中期に赤字への下方修正をし、その後の決算でドーンと大幅赤字になるパターンが続きましたが、その状況からは脱却したようです。ヤマダ電機の山田昇会長は『黒字化も見えてきた』と語っていましたが、確かに黒字化できるのかもしれません。ただ、これまで大塚家具を支えてきた株主たちは、その恩恵には預かれないわけです。彼女の下で働いた従業員の多くも辞めていきました。普通なら、とても人前で自分の経営を語れる状況ではありません。そこが久美子氏のすごいところで、実の父親をパージしただけのことはあるし、失脚後は経営コンサルタントの看板を掲げたのも、普通の人ならなかなかできないことでしょう」

 久美子氏は7月19日付のTwitterでこう呟いている。

《メディアに流れる情報は玉石混交。情報の信頼性を判断する力を、自ら養うしかありません。それと、ユーモアを解する心も。この週末も、ニンジンスティックたくさん食べました。》

 講師を引き受けたのは、ブラックユーモアなのか。

デイリー新潮取材班

2021年8月23日掲載

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